英語講師、通訳、翻訳者の門田直樹です。
帰国子女という言葉に皆さんはどういうイメージを持っていますか?
多くの方は、英語がペラペラに話せてうらやましいというイメージを持たれているのではないでしょうか?
帰国子女に対してプラスのイメージを持っている方が多いように感じます。
私の友人や生徒に帰国子女がいて色々話を聞いたことがあります。
帰国子女も色々苦労したり悩みを抱えています。
帰国子女の多くは親の仕事の都合で好むと好まざるに関わらず、海外で生活することを強いられることがほとんど。
確かに英語が堪能な帰国子女は多いですが、それは海外にいたから自然に身についたというより、生活していくために必死で英語を身につけたということが多いと私は思っています。
英語ができないと友達もできませんし、学校に行っても授業が分からなかったりと生活に色々支障を来します。
多くの場合必要に駆られて英語を身につけているというのが実情です。(もちろん個人差があります)
多くの帰国子女生は、「帰国子女だから英語ガ出来て良いね」と言われると気分を害します。
海外にいたから何も努力することなく英語ができるようになったと思われるのが本当に嫌だと私の大学の友人は言っていました。
帰国子女のいくつかの事例を紹介します。
私の大学時代の友人Nさんのケース
私の大学時代の友人のNさんは、お父さんの仕事の都合で高校3年間アメリカのシカゴにいました。
大学受験は帰国子女入試で早稲田大学に入学。
私はESSで彼女と知り合いました。
彼女の話す英語は完璧なアメリカ英語で、スピーキングだけでなく、リーディング、ライティングも完璧でした。
外資の銀行に就職するときにTOEICのスコアを求められたので、何も対策せずに受験して955点を取得。
リスニングは簡単過ぎると言っていました。
ミスした問題は文法の正誤問題で、細かい文法はよく分からないと言っていました。
多分現行のTOEICであれば満点かほぼ満点だったでしょう。
大学に入ってみんなが当然知っている漢字を知らないのが恥ずかしいとよく言っていました。
私も時々冗談半分で「Nちゃん、この漢字知っている?」と言うと、「そんなことを言うんだったら、英語で話そう」と反撃されていましたね。
アメリカにいた頃の話を聞いたら、「アメリカにいて良かったこともあるけど、日本で普通の高校生活を送りたかったな」と言っていたのが印象的でした。
帰国子女の中にはついつい自分の意見をハッキリと言いすぎて浮いてしまうことがあります。
Nさんもそういう傾向が少しあり、私によく「言い過ぎたかな」と聞いていました。
ただ私も結構ハッキリと物を言うタイプなので、あまり気の利いたフォローがしてあげられなかったので、申し訳ない気持ちで一杯です。
私の生徒のKさんのケース
私が6年前に指導したKさんはお父さんの仕事の都合で中学3年生から高校3年生までアメリカのカリフォルニアにいました。
アメリカに渡った頃の英語力は普通だったそうです。
アメリカの高校に通っていた頃は英語力が低く、授業についていくのが大変だったと言っていました。
先生に質問してもなかなか的を得た回答が返ってこなくて何度も泣きそうになったとのこと。
彼女は英語力が中途半端な状態で渡米して、アメリカで教育を受けたので、ライティングでも基本的なミスが多かったです。
ミスを指摘しても今まで何となく書いていたので、油断すると又同じミスをしてしまうことが良くありました。
大学は日本女子大学の英文科に進み、その後東京都立大学の大学院に進みました。
帰国子女なのに英語があまり出来ないから、帰国子女だということを言いたくないとよく言っていたことが印象に残っています。
帰国子女なんだから英語はペラペラなんでしょうと言われるのが本当に嫌だと言っていました。
彼女にとって帰国子女ということが逆にコンプレックスになっていたようです。
でも今は英語がもっとできるようになりたいと言って、英検やTOEIC等の資格試験の勉強を頑張っているようです。
彼女には英語にコンプレックスを持つことなく、これから頑張って欲しいと思っています。
まとめ
マスコミで紹介される帰国子女は、頭脳明晰で英語がペラペラな人が多いので、多くの人は帰国子女には肯定的なイメージを持たれている方が多いと思いますが、帰国子女も十人十色です。
全員がバラ色の海外生活を送っているわけではありません。
精神的に参って途中で帰国せざるを得ないケースもあると聞きます。
日本に帰ってからも何となく変な子という目で見られて、周りからも浮いてしまい、環境に適合するのに苦労するケースをあるそうです。
隣の芝生は青く見えてしまうのは仕方がありませんが、帰国子女の人に、「海外にいたから英語ができて良いよね」ということは言わないようにして下さい。
こうした言葉に不快感を覚える帰国子女生は多いです。
帰国子女であるがために私達が経験していない苦労をしたり、様々な葛藤に悩んでいることも多いです。
英語力だけでなく、その背景にある人生に目を向けることが本当の意味での理解ではないでしょうか?
何気ない言葉が知らない内に人を傷つけてしまうことがありますから…
私自身は海外で生活したかったなと思うタイプの人ですが、これも無い物ねだりですね。
ご意見、感想大歓迎です。
