英語講師、英日翻訳者の門田直樹です。
大学受験の英語の和訳問題でよく話題になるのが直訳と意訳についてです。
この問題について黄リー教の著者の薬袋善郎先生がこのようなツイートをされています。(有益なツイートがたくさんあるので、できれば辿って読んで下さい)
なるほど「中間日本語」ですか。私が受験生に「直訳の方が有利だ」とアドバイスしているのは「正確に読んだ上で作った意訳が、入試では、満点を取れない可能性」があるからです。「そんなバカな!」と思うかもしれませんが、実際に模試の採点をしていると、こういうことが往々にして起こるのです。… https://t.co/gOe5Jzktkd
— 薬袋善郎 (@Ger81opi46) June 15, 2025
「京大の場合は日本語で言われても難解な内容の英文が題材なこともあり、そんなとこで意訳なんかしたら大外しして0点くらうリスクが大きい。それならといつも手堅く直訳から入ってた」←これは非常に重要な指摘です。これの「意味」がわかる人がどれだけいるだろう。… https://t.co/0ckrVhMG03
— 薬袋善郎 (@Ger81opi46) June 16, 2025
もう半世紀以上も昔になるけど、僕が東大を受けたときは、文系であっても数学に計算用紙が配布され、それに受験番号を記入して、解答用紙と一緒に回収した。… https://t.co/ky8nTQ99ia
— 薬袋善郎 (@Ger81opi46) June 16, 2025
多くの場合生徒が意訳というのは大体誤訳なんですよね。
後生徒が直訳というのは大体単語を単体で訳してを何も考えずにただつなぎ合わせただけのことが多いのが現実です。
原文に書いていないことを勝手に加えたり、原文に書いてあることをきちんと訳していないことも多い。
大学受験の和訳問題は、英文の意味を正確に読み取って、採点者が理解できる日本語で書くのが一番だといつも言っています。
翻訳家のような流麗な日本語で訳す必要は全くありません。
上記のツイートで薬袋善郎先生もおっしゃっていますが、英文を読む時は、
英文を理解する→訳すという流れが正しいのであって、訳す→英文を理解するのではないということは心に留めておく必要があります。
英文が訳せないから分かりませんと言う人がいますが、順序が逆なんですよね。
英文を正確に読むということは一般に思われているよりはるかに難しいことだと私は思っています。
確か同時通訳の神様と言われた故國弘正雄先生も読むことが一番難しいとおっしゃっていました。
ですから私も読めたと思っても、もしかしたら読み違えているかもしれないと考えるようにしています。
日々勉強です。
ご意見、感想大歓迎です。