今朝もテレビ見れば、オリンピックの話題ばかりだ。

翌日は土日でもあるこういう時期に「特別監察」の結果公表とか、「時期」をしっかり考えたやり方だ。

 

まあ、最初から鹿児島県警本部長の不祥事隠蔽疑惑については、「そういう事実は無かった」とか表明したうえでの警察庁の「特別監察」だったので、どうせろくでもない結果にしかならないとは思っていたが、発表された中身は全く呆れかえるような酷過ぎる内容だね。

 

まるで、どこぞの高校の生徒会活動が、あまりに生徒会長の独断専行がひどすぎるから教育委員会として特別指導に入りました。

学年別や男女別、あるいは部活の文科系とスポーツ系別などの自由な意見交換の会議を開催し、生徒会指導部の研修もやって、様々な意見を集約して改善を図りますから、父兄の皆さん安心してくくださいね。

とか言ってるがごとき監察結果だよ。【笑

(以下上記記事から引用)

 

「・・・警察庁は、一連の不祥事の背景に幹部が事件指揮をめぐり捜査方針を具体的かつ明確に示さず、対応状況の確認もおこなわないといった状況が散見されると指摘した上で、県警内も“縦割り意識”が強く、部門を超えて連携しようという意識や出先である署を支援する意識が希薄だったと厳しく指弾しています。・・・」

 

全くふざけた現状分析だ。

問題は「縦割り意識」や「連携や支援の意識」の問題だと?

 

違うだろう!

コミュニケーション不足の根本は、権限を持つ県警本部長の出世のために不祥事を隠蔽したい意向そのものにあるだろうが。

そういう本部長の意向に逆らえないのが、忖度大事の部下たちで、そこにコミュニケーションとか生じるわけがないのは自明なことだ。

 

「特別監察」に入った連中自身が日常的に経験している話じゃないのか?

 

本田前生活安全部長が、裁判でも明確に情報提供は、川本県警本部長の一連の不祥事に対する隠蔽事案を公益通報したと証言しているのにも関わらず、捜査方針を具体的に示さなかったのは、「縦割り意識」や「連携や支援の意識」の問題だと言い逃れするわけだ。

 

ヒラメ幹部が、自分の評価が下がるから一連の不祥事の隠蔽を謀った結果が、鹿児島県警での不祥事の連続発生になったんじゃないのか?

 

 

なぜそこまでして、この鹿児島県警の不祥事を隠蔽し、現状の体制を守ろうとするのか・・・・

 

それは、

第一に、

政権与党にとっては、問題の法的な課題である「公益通報制度」の不備を指摘されて、法改正が求められるのを避けたいからだ。

 

公益通報者は保護されなければならないのに、鹿児島県警や兵庫県でも明らかなように通報者が「守秘義務違反」で「逮捕」や「処分」されてしまっている。

しかも、通報された不正の張本人が捜査や調査の責任者のなっているという馬鹿げた話なのだ。

公益通報制度の存在自体を否定するような事態なのに、なぜ法改正をしようとしないかと言えば、法改正して通報者が保護されるとなると、行政のなどの忖度まみれの今のやりようがどんどん明るみに出て、有力政治家のやりたい放題が出来なくなるからだ。

政権与党と電通など経済界との癒着など、ボロボロ出てくるからね。

 

このような状況なのに、この制度自体の不備を指摘して法改正を行え!というマスコミはほとんどない状況だ。

まるで、裏金問題で求められた「政治資金規正法」の改正を、むしろ改悪で乗り切った自民党のやりようをなんとなく傍観していたマスゴミの有り様と同じ根の問題だ。

 

 

第二の問題は、まともに捜査すれば、県警内部の問題だけじゃなくて地方の自民党などの政権与党と警察との日常的な癒着がバレバレになるからだろう。

 

今度の鹿児島県警の不祥事は今に始まった訳じゃない、志布志の事件のように地元の有力県議と警察が癒着して、選挙違反事件をでっちあげたという信じられない事件も起きていたし、今回の一連の不祥事にしろ、医師会に努める警官の息子の強制性交事件のもみ消しもあった。

 

そういう事件が表面化するのを避けたいという思惑が大きいのだ。

実際、本来なら百条委員会を設置して調査すべき県議会も自民党などが反対して、設置されない模様だしね。

 

川本みたいなヒラメのキャリア官僚個人の出世などは、もうどうでもいい話で、如何に問題を矮小化して、これ以上の炎上を防ぎたいというのが、警察庁や上層政治家の判断だろうが・・・

 

 

今回の鹿児島県警のチョンボは、これだけには終わっていないのが大問題なのだ。

 

この件については、以前の以下のブログに書いている。

 

上記のブログで指摘した鹿児島県警のチョンボについては、

 

1つのチョンボは、

今回の警察の不祥事事案を告発しようとした公益通報の通報者を守秘義務違反と個人情報漏洩で「逮捕」してしまったという、ありえない対応をしてしまったということだ。

 

(そして問題なのはこの、第二のチョンボだ。)

 

2つ目のチョンボは

これまで鹿児島県警の不祥事を報道していたウェブメデイア『ハンター』が小さいとはいえ、報道機関の一つであるのは事実であり、そこへ禁じ手の報道機関への「家宅捜査」を強行して、捜査目的とは全く別件の「情報源である告発資料」そのものを押収してしまうということを強行してしまったことだ。

 

それって、「報道の自由」に対する、そして報道機関の生命線である「情報源の秘匿」と言う絶対的な原則を反故にする、報道機関の使命をないがしろにする「弾圧」そのものを実際にやって見せたということだ。

・・・・・・・・・・・・

 

 

要するに、報道機関すべてを敵にしてしまうような無理筋の「家宅捜索」をやってしまって、しかも「パソコン」を押収して内部のデータを勝手に調べて、別件の事案のデータを勝手に押収してしまうという、ありえない暴挙をやってしまったということだ。

 

 

この第二のチョンボは、実はそれだけではない。

 

何故、鹿児島県警はそれほど慌てて、無理やりに「家宅捜索」という強硬手段に出てしまったのかということが、問題なのだ。

 

上記の私の6月23日のブログでその点を以下の通り書いた。

 

 

「・・・もそもは、禁じ手の報道機関への「家宅捜査」を強行して、捜査目的とは全く別件の「情報源である告発資料」そのものを押収してしまうということを強行してしまったことがチョンボと言える話だったのだが、

実はその「家宅捜索」をあろうことか、その件での犯人の「逮捕」を発表した4月8日にやっているという、常識では考えられないことを平然として、やったということが、昨日明らかになった捜査理由で、やっぱりこじつけでしかなかったことが明白になってしまたのだ。・・・」以上。

 

 

そして、この「家宅捜索」をしなければならなかった理由を昨日のブログでも書いたが、再度6月23日のブログで書いたことを引用しておく。

 

「・・・1、これまでの不正事案は、「ハンター」などが告発資料で明らかにしたら、やむを得ず不正をした警察官を「逮捕」すれば、何とか誤魔化せたのだが、さすがに本田氏の告発は本部長の不正隠蔽なので、「犯人」とするわけにいかない。

ではどうするか、「ハンター」が報道する前に資料そのものを確保して、報道できないようにするしか方法がない、ということ。

 

2、本田氏の告発資料の存在を知りえた方法は、合法的な手段で出来たことにしないといけないこと。

そのために、8日に広報する予定であった事案の関連捜査として、禁じ手ではあるが「家宅捜索」を行い、パソコンの押収をして、データーを得ることにした。

 

以上の2点が、本田氏の資料の存在を知っていたとしたら、その資料を可能な限り速やかに確保しなければならない理由だ。

 

逆に言えば、もし知らなかったら、既に指摘した通り、

『犯人』逮捕の発表当日に、証拠固めのための「家宅捜査」を実施しているなんて馬鹿な話にはなっていないだろう、と言うことだ。

 

確かに入手方法としてはある意味「合法的な手段」かもしれないが、さすがに「犯人」発表の日に関連で報道機関に「家宅捜査」は無理がありすぎます。

 

一体どれだけ重要な証拠がまだ残っていたというのでしょう?

8日に「犯人」とされた巡査長の件に関しては『ハンター』は既に告発内容を報道してしまっているし、県警側も内部捜査をしっかりやって、3月に2回にわたって流出資料について発表しているのだ。・・・・」以上

・・・・・・・・・・・

 

 

そもそも、常識的にネットメディアの小さな報道機関でしかない『ハンター』を強制捜査して一体どのような重要事案の証拠が出てくるんだろう?

 

実質中願寺氏が一人で切り盛りしていたんだけど、その中願寺氏自身が一連の不祥事案で藤井元巡査長から提供された証拠資料を鹿児島県警に持参して、この資料をコピーしていいからちゃんと捜査しろと言ったということだったりしていた事件だよ。

 

家宅捜査で一体どんな重要証拠が出てくると思っていたんだ?

あるとすれば、それは本田氏の告発資料以外に考えられないんだけどね。

だとすれば、それがコンピュータにあることをどうして知っていたんだろう?

ということになってしまうんだけど・・・・

 

 

警察庁は、この件はこの「特別監察」の結果発表で終わりにしたいのだろうが、本田元生活安全部長の裁判が残っている。

 

「家宅捜索」の理由に何が書かれているのか?

また、本田氏が生活安全部が所管している不正事案の方針伺いを退職前に行ったであろうことは事実だろう。そういう人物なのだ。

それを、県警本部長は会ってないと言った。

明らかな嘘だろう。

そういうことも含めて、すべてが明らかになることを期待したいが、

本田氏自身が兵庫県の告発者のように弱気になることがないように、マスコミもしっかり応援すべきだろう。

 

一昨日のブログで書いたように、私は鹿児島県警が『ハンター』のパソコンを監視していたとみている。

そこで、4月3日に北海道の記者に送られた告発資料が『ハンター』に送付されたことを知ったのだと思う。

それで慌てて対処を警察庁とも協議して、4月8日に「家宅捜索」を実施せざるを得なくなったのだと考えている。

 

昔は、日本共産党などに対しても公安が電話の盗聴などを普通にやっていた。

そういうことから考えれば、ネットが通信の基本となった現在、ネットのメールの監視がされているのは、公安側からすればむしろ当然なんだろう。

そして、たぶん今の大手マスコミはそういう事態になっていること自体を了解しているんだろうとさえ思っている。

 

だから、マスコミ自身が今度の鹿児島県警のこの「家宅捜索」問題をニュースで取り上げ、ジャーナリズムに対する権力側の挑戦として話題になどしたくないのだろうと思っている。

 

まあ、そこまで権力との癒着、腐敗が進行してしまっているということだ。

 

 

だからこそ、以下のような権力によるファクトチェックという、あからさまな言論統制もたいして問題にしていないのだろうな・・・。