建前を盾に | 薬剤師アイの生活日誌 

薬剤師アイの生活日誌 

 調剤薬局という特殊な職場の、実情について書きつづったブログです。

 意外に知られていないくすりに対する様々な知識などもアップしていきます。

 世間知らずといわれないように読んでいる、政治経済の本なども紹介していく予定です。

 こんばんは、アイです。
 3月も半ばが過ぎましたね。
 春の足音が近づいています。

 新しい季節が、実りあるものになるといいですね。
 せめて今年だけでも。来年の今頃は、そんなこといってる
余裕も無いかもしれませんから。

 
 
 3月12日に規制改革会議が行われました。

 議題に挙げられたのは、『医薬分業における規制の見直し
という、アイたち薬局薬剤師にも関わることでした。

 この会議の結果によっては、薬局薬剤師の将来が大きく
左右されるかもしれません。

 
公開ディスカッションであり、インターネット配信もされたので
アイも固唾を飲んで見守りました。ipadで見れなかったのは
誤算でしたけど。Windows media player onlyなんて今時
どうなってるのよ。

 会議の予定は90分。資料は事前に公開されていて、
しばらくはそれを説明する時間が続きます。

 ちょっと肩透かしを食らった気分になるアイ。

 たった90分なのに、だらだらと説明に時間を費やしていいの?
 資料の内容は事前に公開されたのだから、読んできたという
前提で議論を行えばいいのに。

 日本医師会や日本薬剤師会など、各代表が作成した資料は、
補足の説明が必要なほど難しいわけでもなく、小学生でもわかる
内容でした。

 あくまで表面上は。その裏にある悪意は別にして。

 


 「それでは意見交換を始めます。」
 
 ようやく議論らしきものが始まったのは、
予定時刻が残り30分をとっくに切ってからでした。

 詳しい内容は、フェアに書くために後日議事録が
発表されてから改めて記事にするつもりですが。

 大きくまとめるなら、以下のような内容が話し合われました。

 ① 医薬分業はグローバルスタンダードであり、日本でも
  医薬分業を推進していく方針は変わらない。

 ② ただ薬局薬剤師の仕事の成果は、現在のコストに
 見合っているかといえば不十分な点も多い。

 ③ 患者の利便性の向上のため、病院内に
 外部の薬局が入ることを認めてもいいのではないか。
 日本では現実に門前薬局が主流となっており、
 それが病院の内に入るだけに過ぎない。それを
 実現させるためにはどうすればいいかという前提で、
 話をしてもらいたい。


 何も結論は出ませんでした。

 これだけ重要なテーマを話し合うには時間が短すぎるのです。
会議は15分ほど延長しましたけど、本来なら丸一日かけて
議論してもいい内容ですよ。

 しかも厚生労働大臣は出席せず、規制改革担当の大臣は
途中退出するザマです。

 「今日は何もはっきりしたことは言わないように言われてきました。」
 
 なんて愛想笑いされても、呆れるしかありません。
 お前マジでお飾り大臣だな。

 ただ、公開ディスカッションという形式で会議が行われたのは
良かったと思います。

 見られているという意識があるせいか、どの団体の代表も
礼儀正しい態度で意見を述べていました。

 日本医師会なんて、かなり横暴な発言をすることも
珍しくないのですけど、とても大人しかったです。むしろ、

 『医師会が提出した資料の中で、院内処方と院外処方では
 これだけ料金に差があるとのことだが、これは院内処方で
 薬剤師を介していない場合と院外処方で薬剤師が介している
 場合を比較しているわけで、今日の資料として適切ではない。
 薬剤師を介していない場合と介している場合とで料金が違うのは
 あたりまえである。』

 と指摘されてタジタジになる場面もありました。

 そう、各代表が提出する資料は表面上は簡単ですけど、
作為的なのです。

 自分たちの都合の良いほうに議論を誘導しようとしています。
 
 会議に参加する者はそれを見抜く目がなければなりません。

 結論ありきの会議かと心配していましたけど、案外まともな
意見も出て、少しほっとしました。
 



 会議を見ていて気になったのは、誰もが建前しか
言わないことです。 
 
 患者さんの利便性の向上のために、とか。
 患者さんの健康を守るために、とか。
 全く考えてないわけではなくとも、二の次でしょう?

 本音は自分たちが利権を手に入れたいだけのはずなのに。
 そこはあえて伏せている。
 でも、そんなものなのでしょう。

 議論とは、暴力とはまた違った戦いです。

 より多くの人間を納得させる正論を提示できたほうの勝ちです。

 この会議は今後も継続され、その結果が来年の4月の
診療報酬改定にも反映されることになります。
 
 はたして薬剤師は、この戦いに勝てるのでしょうか。

 最後に薬剤師会の代表が残したメッセージを紹介しておきます。

 
医薬分業のメリット、
 患者満足が感じられないといいますが、
 患者の求めるメリットと医療従事者が
 考えるメリットとは違うわけで、
 そこを同じにして考えないでほしい』


 このメッセージ、たぶん医療従事者なら理解できますけど、
一般の方には、何を言ってるかいまいち伝わらないかも
しれませんね。