5月も終わりですね。さぁボーナス決めなきゃ。いっくらにしよーかなー♪
アイは基本的にモラルを重視しておらず、勝てばよかろうなのだっ!が根底にありますが、
それでも、フェアであることは大切だと思っています。
調剤薬局というのはつきつめると、病院のアウトソーシング的な立場にすぎない。というのが、
アイの自らの仕事に対する認識です。病院がなくなれば、調剤薬局単独での存続は難しい。
だから、タテマエでは病院と調剤薬局は独立した関係でなければならないけれど、ホンネでは
裏で何がしかの利害関係があるのは、別にあってもおかしくはありません。
しょせんメン分業なんて、ド無能ぞろいの厚労省の妄言に過ぎません。
なにが集中率だ。大多数の患者は、
病院にかかったら、そこの近くの薬局でクスリをもらって帰ります。
集中率によって診療報酬が下がるなんて、どんな理屈なんだか。
とはいえ、ねぇ。アイにはもちろん、やましいところなんてないですけど。
処方元の病院と全く利害関係がないわけじゃなし。
自らははたして本当にフェアであるか、考えてしまうことがあります。
ところが、5月27日の日経新聞で、こんな記事を見つけました。
『立川駅ナカに医療施設
駅ナカ商業施設「エキュート立川」の一角に医療施設「ナビタスクリニック立川」を
開業する。内科、小児科など6診療科目を設置。夜間診療も受け付ける。
同クリニックの開設・運営は調剤薬局大手のアインファーマシーズグループが提供する』
・・・おいおい。
そりゃアインなんて元はしょせん北海道の不動産屋ですが、調剤薬局の会社が
病院開設と運営なんかして、いいんでしょうか?新聞記者は書いててなんかおかしいと
思わないんでしょうか?
駅ナカ、つまり改札口の中に病院と、きっとアインの薬局も作るんでしょう?もしこれで
保健所の認可が通るというのなら、もう病院と薬局はウラで手、組んでていいスよ。
と公的に認められたことと同じではないでしょうか。
まあ、アイはフェアでありたいと思っていますが、モラルは重視してません。
商売というのは、そういうもの。生き残れば勝ちです。
ド無能の厚労省は足を引っ張るばかりだから、自分たちで活路を切り開いていかないと。
今後、ナビタスクリニック立川については、気を留めておこうと思います。
もし、これが成立するなら、調剤薬局が病院を立ち上げていいってことの証明に
なりますから。立場逆転というか、病院の近くに薬局を作るんじゃなくて、
薬局の近くに病院を作っちゃえばいいんだ、なんて、ちょっとユカイじゃないですか?('-^*)
夜。
リビングのテレビの前。カーペットに腰を下ろし、ソファーによりかかる父親。
最初はソファーに腰掛けてたんですけど、おしりがずりずりとずり落ちて、
そのままカーペットに座り込んでしまいました。
再びソファーに戻る気力もないようで、口は半開き。目はうつろで、焦点が合ってません。
普段父親はニュースしか見ないのですが、いまテレビに映っているのは爆笑レッドカーペットです。
クスリとも笑いません。やがてそのまま横に寝転んでしまいました。
「・・・・・私もう耐えられないわ。ねぇ・・・」
テーブルにヒジをついた母親が、顔を覆います。マジで泣きそうです。
「・・・はじめてよ、結婚してから。あの人のあんな姿。とても見てられないわ。
ねぇ、お願い、助けてあげて。」
それには答えず、母親の横に座って、その肩を抱くアイ。
ウチの両親の関係は、父親にベッタリ依存する母親という構図です。母親の中では、
父親はいつまでも強くたくましく頼りがいのある男、ということになってます。父親が死んだら、
母親もたぶんすぐ死んじまうでしょう。
自分の知っている人が、こわれてしまうというのは、とても怖いことです。
カーペットにうずくまり、指をしゃぶる父親の姿というのは、アイも見たことがありません。
そこには、アイの知ってる父親は、いませんでした。
普段父親が座っている席には、妹の恵。
うつむいていましたが、アイの顔を横目で見つめてきます。
「・・・・・・入院させたほうが、いいんじゃない?」
母親が顔を上げました。目には涙がたまってます。
1番上であるアイが何か言うのを、待っているようです。
ためいきをついてから、おもむろに口を開くアイ。
「おーげさなんだよ。
禁煙ぐらいで」
禁煙するしかない、と言い出したのは父親のほうでした。
5月に発売された新薬である「チャンピックス」を試してみたいと、言い出したのです。
チャンピックスはいままでにないタイプの禁煙治療剤です。
はじめは0.5mg錠を3日目までは1日1回、4日~7日は1日2回服用します。
8日めからは1.0mg錠を1日2回服用し、ここから禁煙スタートになります。そして12週服用します。
パンフレットでは、
「少量のドパミンを放出させ、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減」
「ニコチン受容体へのニコチンの結合を妨げ、喫煙による満足感を抑制」
とのことですが、MRを呼びつけていろいろ問い詰めてやったら、それはタテマエとのこと。
ぶっちゃけ、吸いたいものは
吸いたいままとのことです。
・・・まあ、そうでなくても、アイの父親は1日に3箱半吸うチェーンスモーカーです。
1時間に1本までにするわ、といってた時期もありましたが、それすらムリでした。
そんな毎日を、40年。
アイの予想では、あと15年程度で父親はCOPDあるいは肺ガンを発症し、
管をつながれ、そしてお別れになると思っていました。
父親もまた、いまの生活では自分は長くは生きれないと、まあそれでもいいと
思ってたようでした。
だが、そうもいかなくなったとのこと。
恵とドジ子が心配だから、まだ死ぬわけにはいかない。父親は、そう言いました。
オイ、誰か忘れてないか。
みんなとっくに成人してて、それぞれ平均よりは稼いでるんですけど。
まだそれだけじゃ、足りないか。
妹の恵も、ドジ子も、すでに次のステップに向けて、新たな戦いを始めています。
大企業に勤める恵はヨーロッパでの(詳しいことは教えてくれないんです)視察を終え、
新たなM&Aプロジェクトに向けて、地味な計算の毎日。
相変わらずデブってますし、最近ではPCの使いすぎで腱鞘炎になって、
右手がケンシロウみたいに包帯でぐるぐる巻きになってます。
ドジ子は、病院改革をしようとしていて、でもしょせんは一介の看護師に過ぎなくて、
葛藤する日々です。
認定看護師のスキルは伊達じゃないようで、病棟をこえて、患者さんの処置を依頼
される回数が、多くなってきたとのこと。
とはいえ、現場では看護師が不足しているのでドジ子も通常業務をしなければなりません。
なので、時間外で患者さんの処置に走り回っています。
看護部長は去年の責任をとらされて、もう辞めることが確定しているので、
余計なことはしたくないらしく、協力は期待できない様子。またドジ子本人も、
上に立った経験なんてないし、社内政治どころか根回しのしかたもわからない。
自分でも何から手をつけていいか、整理がまだついてないようです。
アイなんかはそんな病院見捨てて自分の能力が生かせる場所へ転職しちゃえばいいじゃん
なーんて考えてしまいますが、それじゃ患者さんが困るでしょ!と怒られてしまいました。
いまの病院でがんばると、決めたようです。
こういう展開って、なんとなーくうまくいかない予感があるのですが、
さて、どこまでできることやら。
せいぜいあがくといいさ。その間も、やったことは決して間違いではないから。
それにしても。
いったい、いつ一人前になるんだろう。
・・・・・・それは考えないほうがいいのかもしれないな。
「まあ、結論からすると」
食卓の指定席に座り、そう言って、得意気に胸を張る父親。
「そこいらのヤツとは、精神力が違うということだよ」
豪快に笑って、アイの肩をバンバン叩きます。都合よく記憶を改ざんしてやがる。
チャンピックス服用10日目から、こわれてた父親が突如復活しました。
なんかいーかんじにニコチン受容体にスコーンと入ったようで、全然タバコを
吸いたくなくなったようです。さすがに口寂しいようで、ずっと禁煙パイポ加えてますけど。
父親の友人たちにはいまだ喫煙者が多いので、しばらく飲みに行くのを禁止させようと
思っていますが、すぐ父親を甘やかす母親の意見も無視してガマンを強要して、よかったです。
・・・もうホント、うっさかったんですよ。二コレットとかを食べさせたりしてもいいんじゃない?
とかさー。まあ単に、弱ってる父親に無理を強いて日頃アイをバカにした言動を繰り返す
父親への仕返しを楽しんでいたのは、内緒です。ヒヒヒ。
「すげークスリだな。これは売れるぞ。ファイザーの株買っとこう、いくらだ?」
「・・・・・・いや、日本の株式上場してないから。たしか」
「そうなのか?残念だなー、じゃあ岩崎に礼状を書こう。住所はどこだ?」
「やめなって」
チャンピックスは、確かに効果があるようです。
・・・やや以前より、ハイになった気がしますけどね。
妹たちも、喜んでる様子。
いつも通り、左ヒザを行儀悪く立てて座るドジ子が、目をキラキラさせて言いました。
「ほんとよかったよー、お父さんには長生きしてもらわないと、お母さんも死んじゃうから。
わたしが結婚したらー、お父さんにとなりに家を建ててもらってー、そこで住むの。
で、子供はお母さんに育ててもらってー、わたしは仕事。食事も朝昼夜いっしょにとるのー」
父親に食卓の指定席を返し、元の位置に戻った恵が、特に意味もなくドジ子をバシッと
叩きます。
「全部人任せかアンタは!
ていうかこの子の教育失敗はあなたがたの責任だからね。私は知らないから。」
「そーゆー自分はどーなのよー、恵ちゃんだって、結婚したらどうするの?」
「私は結婚なんてしないから」
そう言って胸を張る恵(29)、なぜか笑う父と母。笑うところか?
「まあ、これで俺も80までは生きられるだろうし、アイは出てくだろうから、
そしたら東京に家でも建てて、4人で仲良くみんなで住めばいいさ。」
父が、母が、妹たちが、うなづきます。
和やかな笑いに包まれる食卓。
・・・・あれ?(・ ・。)
to be continued・・・⇒