東野圭吾著「分身」 | 直爺のブログ

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東野圭吾著「分身」(集英社刊)を読んだ。

 タイトルから想像がつくように、この物語は主人公が二人登場する。

 一人は「鞠子」、もう一人は「双葉」。

 物語はまず「鞠子」の章から始まる。そして次に「双葉」の章。

 このように「鞠子」と「双葉」の章が、時間的にパラレルに、あるいはリニヤーとなってほぼ交互に描かれる。

 

 私の苦手なパラレルな展開となるわけ。

 

 思った通り、読み初めの頃はかなり感狂った。

 が、登場人物が比較的少ないのと、各々の主人公の脇の登場人物がかなり印象的な死に方をするので、それとの関連付けで案外混乱することなく最後まで読み進むことが出来た。

 物語の終焉は、かなり哲学的な内容になっていて、現代の医学研究の進むべき方向と、人間としての倫理観とをどのように関連付けて考えなくてはならないか、深く考えさせてくれる内容となっている。

 

 さすが理系ミステリーの雄だけあるな、と感じさせてくれる作品だったのでした。

 

 おしまい