死ってなんだろう?
皆さんにとても身近だけど、とても遠いものは何でしょう?
そしていつか必ず体験するけど、誰もその体験をしたことがないことは?
そんな謎々のような質問の答えは「死」です。
いきなりこんなことを書くとびっくりされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし死と直面する可能性は100%!
あなたがどのような生き方をしていたとしても、それは必ずやってきます。
そういう意味では世界中あらゆる人が共通に体験する出来事であり、決して避けて通れない大きなイベントですね。
さて。実は私たちは日常でいつも死を体験しています。
肉体に目をむけてみましょう。
私たちの肉体を作っている細胞は常に新陳代謝を起こし、約七年間で一部を除いた体中の細胞が入れ代わると言われています。
毎日鏡をみていても何も変わらないように見えるあなたの肉体は、内側のミクロな細胞の活動に目をむけたとき、すさまじい速さで生と死の繰り返しを行っているのです。
私たちは「毎日生きている」と疑いもなく思っていますが、実は同時に「毎日死んでいる」のです。奇妙な言い方ですが、私たちは「生き続けるためには、死に続けなければならない」ということなのです。
生に対して、変化をもたらし、生をより輝かせるもの。
それが死の役割です。
東日本大震災は無数の犠牲者を出し、同時にこれまでの社会体制に大きな疑問を持つきっかけとなった、「これまでの日本の死」のイベントとなりました。
しかし同時に「本当に大切なことは何か?
いま本当にやりたいことをやろう!!」と多くの日本人が感じた生のイベントでもあります。
死という終わりがあるからこそ、日常が輝きます。
もし私たちが死を恐れるとしたら、それは変化への恐れとつながっています。
陰と陽の太極図のように。死と生はふたつでひとつ。切り離すことは決してできません。
「今日が一生の最後の日と思って毎日を生きること」。
このように常に意識することは、生と死を統合します。
そして変化への恐怖を手放し、一瞬一瞬の喜びへと人生を変化させるとき。
あなたの魂は真に輝き、人生は奇跡の連続へと変容を遂げるのです。
斉藤つうり
≪月間GBJ掲載記事より≫
箱根 九頭龍神社にて撮影