2SC1815 2SA1015 プッシュプルアンプの制作 | 元漫画家、森沢としお

元漫画家、森沢としお

漫画家復帰目指して奮闘中。オートバイが好きで電子工作が好きで少女漫画が好き!

パソコン用の卓上アンプにハマっています。

かれこれ3台ICを使って作りました。

でももう一つ作りたいものがあった。

それは、トランジスターでアンプを作ること。

子供の頃、私はラジオ少年で、

2石レフレックスラジオだとか6石スーパーラジオだとか作ってました。

トランジスタでアンプを作りたい。

とは言うものの、全然トランジスターでアンプを作ったことがなかった。

たまたま、ギターエフェクターを造ったとき、2SC1815というトランジスターを使った。



ごっそり余っているので、これで作ることにした。

コンプリメンタリーな石は2SA1015。

プッシュプル回路にすれば、なんとかスピーカーが鳴らせるのでは?

回路図をネットで探す。

なかなか回路図が見つからない。

たまたまシャンテック電子というところのキットを発見。

http://www.shamtecdenshi.jp/catalog/index1_A-001.html

回路図を手に入れる。

それを元に、前段に1石加えて回路を考えました。



紙の上で回路図を描き、

方眼紙を使って実体配線図を作る。



ところが、問題が起きました。

部品数が4倍ぐらいに増えたので基板の上はギチギチ、

ボリュームも載せられない。

330μFのコンデンサーが思ったより大きくて場所を取る。

部品の位置を細かく変更しないといけないけど、場当たりでなんとか部品を載せてみた。



しかし、これだけギチギチだと、裏返すと何がなんだかわからない。

部品の足でヤマアラシ状態。



本来なら、少しづつ部品を刺して部品の足で配線をしていきますが、

これだけギチギチだと正確な配線図を描くことは難しい。

一旦バラしたら何がなんだかわからなくなる。

なので、このまま少しづつ裏と表を眺めながら足をハンダ付けして

回路を作っていった。









途中で嫌になり放置しようかと何度も考えました。

回路図を考えて、裏を配線するのに2週間。



ケースの加工と配線は1日で完成。

これからが大変だった。

まず裏蓋が閉まらない。





部品が干渉する場所の部品をずらしてハンダ付けし直し、

なんとか蓋が閉まるようにした。

そして、パソコンに繋げる。



スイッチを入れる。

音は小さいし、ブチブチ言っている。

しかも右からは音が出ていない。

でもボリュームをMAXにするとかすかながら音がする。

ここからが、昔のラジオ少年の正念場。

テスターを使って接触を調べる。

入力側と出力側の接続に問題はなし、

やはり基盤の上の配線か?

上から基盤を眺めていて気がついた、

入力側のコンデンサーの極性が逆だ。

正しい向きにつけ直すが、

音は変わらず。

極性って関係ないのか?そこまで詳しくないのでよくわかりません。

それでも右からは音がでない。

なので、ブレッドボードを使って検証道具を作る。



トランジスター2個使ってアンプを作り、ヘッドフォンで音を聞く。

どこまで音が出るかによって、問題の場所を絞ろうというのだ。

左の回路は、概ね音が出た。

でも右側の回路は、最初の段から音が拾えない。

トランジスターのベースまでは音が繋がっている。

頭が混乱するので、基盤をコピー機でスキャンして拡大して、

どういう配線になっているのか、回路図を描いてみる。



それでもわからない。

裏と表の部品の位置を縦と横で確認していると、あららら、

1箇所部品の配線が違っている。

トランジスタの足に繋がってないで、抵抗の両足がハンダ付けしてあった。

3週目にしてやっと、配線のバグが取れました。

スイッチを入れてみる。

音が小さい。ボリュームを回していくとすぐに音が歪んでくる。

大きい音は出ますが、音全体がディストーションが掛かっている。

ギターのエフェクターなら、これはこれで面白いのだろうけど。

最初から、ブレッドボードでどれくらいの音がでるのか検証してから作れば良かった。

3週間無駄にしました。

追記

最初、9Vで動作させようと思ってましたけど、

今まで作ったアンプは5Vだったので、5Vのアダプターで動作させてました。

9Vのアダプターに変えてみたら、音質は良くないけど、

パソコンのアンプとしてはなんとか使えるぐらいの

音量を得られました。

プッシュプルによく見られるダイオードを使ってない回路なので、

波形が崩れているのかもしれません。

もともとラジオ用のキットの回路なので仕方がないのかも。

せっかく作ったので、ダイモで文字を入れて、完成品の一つに加えました。