◆元三大師関連寺院
(1)東叡山 寛永寺 No.2
ところが何の因果か、一年後の2021年11月、たまたまパートナーの美月と訪れた調布市の深大寺(天台宗:後日紹介します)で角大師との再会を果たすことになりました。
正直驚きました。
この異形のお姿が全国版であったことを初めて知ったのです。
以降、毎週天台宗寺院を巡って角大師グッズを収集するようになったのですが、当然ながら寛永寺へもすぐに再訪することとなりました。
二度目の寛永寺両大師は2022年1月9日で、まさに角大師グッズの宝庫でした。
まず護符から紹介しましょう。
この角大師護符は、縦31.5㎝、横13.0㎝の大判で、実に堂々としたお札になっています。
角大師の描き方はいろいろなパターンがあるのですが、これは「寛永寺系」と命名しましたが、三重に象られた大きな吃驚お目目でとぼけた可愛いさがあるのが特徴です。
鼻の白地が大きく、五臓六腑もしっかりと描かれています。
「おやっ?」とした表情は、どう考えても石ノ森章太郎が『仮面ライダー』で登場させたショッカーであり、厄除けを祈祷するにはちょっと頼りない飛蝗系の角大師です。
この系統は、東京都昭島市にある拝島大師(後日紹介)とその近くにある観音寺(後日紹介)、埼玉県小川町にある小川厄除大師(後日紹介)が似た図柄であることを確認しています。
東叡山両大師の印と梵字は紙の裏面に押印されており、版木から刷ったものではなく印刷なのでしょうが実に立派な護符です。
(寛永寺豆大師護符)
それと両大師で授与頂ける護符は豆大師のお札です。
豆大師については後ほど「◆元三大師研究」で書きますが、元三大師良源は観音菩薩の化身とされ、その三十三身になぞらえて三十三人の童子となって人々を救うと言われています。
さてこの三十三人の豆大師ですが、額から血が噴き出しているように描かれていますが、これは元三大師の眉毛が立派だったことに由来しているようです。
しかし尋常ではない眉毛であり、この両大師の豆大師護符は、深大寺や拝島大師と同様に最長の部類ではないかと思われます。
どうしてここまで誇張されたかはわかりませんが、両大師に保存されている元三大師のお姿にはそれほど眉毛が強調されてはいません。
(寛永寺元三大師御影)
これは両大師のホームページに掲載されている画像ですが、現実の絵姿は顔立ちが判断し辛いほど煤けてしまっています。
角大師の角も眉毛が変化したものと言われていますが、このあたりの真実はもう誰もわからないのかもしれません。