こんにちは、ふじおです。
昨日のブログで報告しましたキッズ*ファースト主催の「こどもたちのことばとこころをはぐくむ講演会12」に参加レポートの第2弾
大鹿綾先生について。
大鹿先生は特別支援教育について長年研究されていて、聴覚障害と発達障害を併せ持つ(重複障害)小学生を対象に「学習活動 ダンボ」に携わっておられます。
テーマは「人生は続くよ、どこまでも」について。
現在文科省の学習指導要領は大体10年おきに改定されています。
時代と共に「学力重視の教育」から「生きる力を育む教育」へと変わってきています。
自分で目標設定をして、それに向かって努力する力。失敗にもへこたれず、失敗を自分の糧とする力。一人で考えたり行動したりするのではなく、周囲の人たちと協調していく力。
これらの力を育む教育は、まさに生きる力につながります。
障害を持つ子どもは、学校の中で生きる力を養うには、多くの困難を抱えています。
聴覚障害児は健常児に比べ、困難を示すことが多くあります。
その聴覚障害児は、発達障害を併せ持っているために困難を示しているのかもしてません。
しかし、それはなかなか発見しにくいことがあります
学習面などで、困難に直面しても、「100%解った!」という経験が希薄なため、困り事を自覚していない場合が多いです。
小学校で、ことばの発達を育てていくためには、子ども一人ひとりを丁寧に観察し、どんなことで聞こえに困難を抱えているのか原因を探すことが第一歩です。
音読をさせてみて、音韻意識・記憶・視覚認知・聴覚認知・言語力など要素ごとに分けて考える必要があります。
次に中学・高校では、小学校と違って手厚い支援が激減します。
いわゆる「支援の穴」です
セルフアドボカシーを養い、自分から必要な支援や配慮を発信する力が問われてきます。
大学を経て社会人になった時、今まで学校という支援の中で育ったため、支援してもらうことが当たり前のように思っています。
しかし、社会の中では支援してくれるとは限りません。
自分から困難に立ち向かい、必要な支援や配慮を職場や同僚に伝えなければならないのです。
厚労省の調査では、聴覚障害者の就職率は健常者より、返って高いそうですが、離職率も高いそうです。
つまり、セルフアドボカシーがなくては、仕事が長続きしないということです。
長い人生、独り立ちし、社会の一員として暮らしていくためには、生きる力を身に付けなければいけません。
社会人になれば、ストレスや悩みを持つことも多くあるでしょう。
そういった困難を打開するために、同じ境遇を共有できる聴覚障害者の集まりや相談できる人を持つことは強い支えになります。
障害を持っていても、長い人生を生き抜くために自分に必要な生きる力を就学期から身に付けていきましょう。