こんにちは、ふじおです。
5月10日、フィンランドのマリン首相初来日し、11日には東大で講演、同日午後には岸田総理と会談をしました。
36歳の若さでフィンランドの女性首相です。
4/15のブログで紹介した「ジェンダーギャップ指数2021」では、フィンランドはアイスランドに次いで第2位です。同じ北欧のノルウェーは第3位、スウェーデンは第5位です。
北欧諸国は、福祉や教育の政策でも先進的な地域です。
ではなぜ、北欧諸国はジェンダー平等が進んでいるのでしょうか?
Yahoo!JAPANの「SDGs」3/3付の記事で、アイスランドのヨハネソン駐日大使のインタビュー記事が載っていました。
アイスランドでは、「国会議員の男女比率は半々で、育休制度もジェンダー平等に配慮しながら設計されて」おり、「2018年には、性別による賃金格差を禁止」しています。
ヨハネソン氏は「ジェンダーギャップをなくすことは、誰もが平等なチャンスを得られる環境をつくることでもあり、ビジネスのリスクを減らしながら国全体の幸福度と経済力をあげていくことに繋が」ると言います。
例えば、育児休暇は「男女が各6か月ずつ取得でき、その後に6週間の「共有可能な育休期間」があるそうです。「共有可能な育休期間」は女性が4週間、男性が2週間でも良いし、双方が3週間ずつ取っても良い、夫婦で選択可能な育休期間なのです。
しかし、いくら法律が整っていてもそれを実行できる社会的環境ができいなければ意味がありません。
アイスランドでは、育休制度とインフラを整えたことによって、「男性でも当たり前のように育児休暇を取るんだという前提が社会の中ででき」たそうです。
ではそもそも、アイスランドでジェンダー平等が進んだのはなぜでしょうか?
それは50年程前に起きたある出来事がきっかけでした。
1975年10月24日に「女性の休日」と呼ばれるストライキが起こったのです。
「女性の休日」は、この日、全女性国民のうち約90%の人が、蜂起したのです。
「女性も社会の柱であるということを証明するために自分の仕事や家事をすべてストップして、首都であるレイキャビクの広場に集まりました」。
その結果どうなったか。「男性はどのように家事や子どもの世話をしたらいいかわかりませんでした」。
「社会も家庭もうまく機能しなくなってしまった」と言います。
このストライキで初めて、男性は「女性が社会からいなくなるとどうなってしまうのか」認識したのです。
その後、1980年には、アイスランドは世界で初めて民主的に選ばれた女性大統領が誕生。1982年に女性だけで構成された政党が自治体で誕生。1983年には国会にも女性だけの政党が誕生。2009年には閣僚の男女比率が半々になり、同時に初の女性首相が誕生しました。
社会、特に男性が、女性の重要性を認識し、従来の意識を変革することが重要だと思います。
アイスランドはジェンダー平等に意識が変わったことによって、社会全体や経済活動が好転します。
OECD(経済協力開発機構)の調査で、「女性が経済活動に参加することによって、その国全体の経済はよくなる」と報告されています。
「意思決定の場では、女性の視点をはじめとした多様性はあったほうがリスク回避できる」のだそうです。
「ジェンダー平等な社会が実現すれば、国全体の幸福度も上昇」。それが結果的によい経済効果をもたらすとOECDの調査で報告されています。
それによって、男女双方が平等な立場で議論し、双方の許容範囲を明確にすることできたと言います。
アイスランドの意識改革を通して言えることは「ジェンダーギャップのない社会を実現するためには人々の意識と、実効性のある法律、そしてそれをサポートするためのインフラの3つが必要」なのです。
日本を振り返ってみると、憲法で男女平等は謳われていますが、現実社会を鑑みると、まだまだ旧態依然とした家父長制や男尊女卑の残滓が根強く残っています。
国会議員や閣僚の老若男女比率を見れば一目瞭然です。
私は、日本も強制的に議員や閣僚の老若男女比率を半々にするぐらいの制度にしないと、日本社会の体質を根幹から変えることはできないのではないかと最近思っています。
もちろん、そんなことをすれば、逆に差別だとか、キャリアを無視することになるとか、そういう意見が出るのも解ります。
しかし、それによって日本社会の何が変わったのか!
今の日本には、これぐらいのハナレワザをしないと意識改革はできないのではないでしょうか。