こんにちは、ふじおです。
1/25付のブログでお知らせしたとおり、昨日ライフパーク倉敷にて、子育て・教育を考えるつどい「考えてみませんか 今どきの中学生のこと」講演会に参加してきました
講師は倉敷市立西中学校の現役校長、松本一郎先生です。
松本先生は、総社西中学校で3年間教頭職にありました。
総社市では、心理学に基づいた「だれもが行きたくなる学校づくり」に取り組んでいるそうです。
総社西中学校に勤務していた際に、総社市の取り組みに触れ、倉敷市教育委員会に異動した後、倉敷でもPBISに取り組むようになったそうです。
PBISとはPositive Behavioral Interventions and Supportsの頭文字をつなげた用語で、直訳すれば、積極的な行動的介入と支援という意味で、一般的に「ポジティブな行動支援」と訳されているようです。この考え方は、行動分析学と謂われるもので、アメリカの心理学者バラス・F・スキナーによって創始されました。
PBISの基本的な考え方は「良い所を見付けて、そこを評価し、本人に伝えていく」ことです。
親でも子どもに対して、教師でも生徒に対して、「○○したらダメだろ!」「何で□□したんだ!」といった失敗したことに対する責任追及(失敗の責任追及)をしてしまいます。
一方、PBISでは、その人ができたこと、良い行動をしたことを評価する(成功の責任追及)を実践します。
これは身近な人にするほど効果が上がります。
このPBISを学校に応用します。
すると、「生徒の自尊感情を高める」「生徒が良い行動が増え、学校が落ち着く」「教師との人間関係が改善し、学力が向上する」などの効果が生まれるというのです。
松本先生は西中学校の校長に就任し、このPBISを実践します。
松本先生が西中学校で導入したのが「グッド・ビヘイビア(GB)チケット」。
教師が生徒に対して、できたことや良い行動にをGBチケットに記入し、本人に渡します。
これを続けるうちに、教師から生徒へ渡していたものが、生徒同士でGBチケットを渡し合うようになっていきます。
こうした取り組みは学校に浸透し、生徒の郊外での良い行動へとつながり、教員自身の気付きにもつながり、正の連鎖へと好循環をもたらすのでした。
松本先生のPBISは倉敷モデルとして、このコロナ禍でも応用され、苦境に立たされている医療従事者に対して、感謝の気持ちをGBチケットに書き、それをエール倉敷の用紙に貼って倉敷市内の病院へ贈られました。
松本先生は最後に、ある担任教師のエピソードを教えてくれました。
“GBチケットは良い行動をしたことに対するご褒美ではなく、人間の尊厳を伝え合うメッセージカードだと思う”と。
今回、松本先生のお話を拝聴して、4月から安心して西中学校へ送り出せると確信しました