持続可能な未来づくりのための予算編成の考えについて質問しました。

 

 

令和6年度各務原市の予算編成についての基本的な考え方が発表され、具体的な考え方として3つの項目が上げられています。1.市民の皆様の安全・安心を確保

2.持続可能な未来づくり

3.現総合計画の集大成

この具体的な考えの下の予算編成です。

それに向けた考えについて確認します。

 

 近年、気候変動による自然災害が増えている中、各務原市ではPFASによる地下水汚染が深刻な問題として市民の暮らしや財政にも大きな影響を与えています。

そんな現状を見据え、市民の皆様が心身ともに健康で不安なく、いつまでも元気で活躍できる環境整備という考えは妥当であり、そして持続可能な未来づくりも今後欠かせない目標となります。

 

様々な分野への予算を考えていく中で、事業の優先順位をどう見極めていくのかということが大変重要です。

 そこで、持続可能な未来づくりとは何かというとこを考えたときに、たまたま先日、BSのPFAS特集の番組を見ました。

そこに出演をされていた齋藤幸平さんのお話を聞いて、とても共感しました。

彼が言うには、私たちが便利さと豊かさを経済成長を通じて享受してきた結果、そのコストが環境破壊という様々な形で浮かび上がっている。

それは、気候変動もPFASの問題もそうだと思う。

人間は常に自然との循環の過程で生きている。しかし、成長があまりにも大きくなり過ぎて循環を乱すようになってきた。これからの時代は、もう一度その循環を取り戻していくために、経済成長だけではない豊かさを追加していく価値観の転換が求められているというふうにおっしゃっていました。

 自然と循環のバランスを取り戻すことが持続可能な未来をつくっていくというふうに考えたときに、我がまちの予算の在り方は、どうしても大規模なハード事業への比重が大きく感じます。

例えば私の地元の各務西町の辺りは、ハード事業によって景色が一変しようとしています。各務山の工業団地が整備されて、新総合体育館建設に向け、残土が次々と運ばれています。

治水対策として巨大な貯水池の工事も始まりました。市は持続可能な未来をつくると言いますが、自然環境が壊れていく矛盾も感じています。

 地下水の問題についても、地下水を守るにはPFASなどの有機物質の環境汚染を防ぐということも重要ですが、それと同時に涵養域(水田、畑地、草地、林地、水域)を守ること、自然を壊さずに守っていくということも地下水を守るためには大切なことです。

農地に盛土をして建物を建て巨大な池を造る、これは環境を守ることになるのか、環境に負荷を与えることは、むしろ災害を引き起こす要因につながりかねないと危惧をします。

そして、生態系にも少なからず影響が出てくると思います。

 人にも環境にも優しい循環型を目指す思いが根底にあるとは考えられないような施策に、多額の税金が投入されていく傾向を強く感じます。

自然と循環のバランスを取り戻すことが持続可能な未来につながると考え、価値観の転換が求められる時代にハード面重視の予算編成とならないように確認をします。

 

古川質問 1点目

予算編成の具体的な考えにおいて「持続可能な未来づくり」とあるが、自然を壊しての開発との矛盾をどう考え、環境再生、生物多様性をどう守っていくのか。

 

企画総務部長答弁

都市の発展や環境保護・保全への取組は、住みやすい都市、脱炭素社会や循環型社会の形成を目指すためにも重要であると認識しています。

 農地については、市民の食を支える農産物の生産のほか、雨水の貯留や環境負荷の低減など多面的な役割を果たしていることから、その保全と活用に向けた取組を進めています。

 

一方、健康で文化的な生活環境を確保するためには、都市基盤の整備を行い、計画的な土地の活用を行うことも必要です。

 令和6年度の予算編成に当たっても、予算編成方針において持続可能な未来づくりを掲げ、子ども・子育て施策をはじめとした人口減少対策、デジタル変革やグリーン化の推進等の施策を検討しているところであり、引き続き自然環境との調和を図りながら、都市機能の向上と持続可能なまちづくりに努めてまいります。

 

古川再質問

全てのハード事業を否定しているわけではないです。

必要なバランスとか調和を図っていくと言われたが、今、予算の比重を見ると、どうしてもハード面にお金がかかりがちです。

予算を考えていく中で調和を図るとのこと、工事にかかるということは分からなくはないんですが、その辺の根底にあるかことが、予算に思いがあるかが反映してくると思いますので、その点の予算編成を考えていく中で、今の事業とのバランス、その辺をどういうふうに思っているのか。

 予算編成について質問です。金額的なところでの影響をどういうふ見込んでいるのか。

 

企画総務部長答弁

答えになるかどうかちょっと分かりませんが、やはり工事というのは多額な費用がかかりますが、議員おっしゃるように、自然環境というのは最も大切なことの一つだと思います。

これはいつまでも守り続けなければなりません。

一方で、ここには多くの市民が住んでいらっしゃって、自然環境の対極にあるものもやはり同時に求められています。

 

 基本的な市の土地の利用方法、利用方針については、都市計画マスタープランですとか立地適正化計画、緑の基本計画などなど重要な計画がありまして、空間を総合的にどう使うのか、保全、保護していくのかということは、丁寧な調査・研究により整理をされています。こういった計画に基づきまして、全体としてバランスの取れたまちづくりを進めていくことが必要であるというふうに考えております。

 

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そして、持続可能な未来づくりのためには、食と農を守る仕組みが重要です。今後、地球環境に変動が生じ、農作物の輸出入に不測の事態が起きたらどうなるのか。自給率が低い日本だからこそ、持続可能な食卓、持続可能な農業を考えていく必要があります。

 先日、食と農と環境について、白川町の農家さんを講師に招いて、市民の皆さんと学習会を開催しました。

食と農と環境を考える!服部さんと水野さんのお話会 | ~なないろ通信~ 古川明美 (ameblo.jp)

 

国は、持続可能な未来のために、2050年までに有機農業を農地全体の25%に拡大するという目標を掲げています。白川町は7割が有機農家だそうです。移住してくる若い新規就農者は、ほぼ100%有機農家を目指しているとのことです。

白川町は新規就農者施設があり、新規就農者は施設を利用して、家族とともに日常生活を営みながら農業技術の習得のための研修をすることができるそうです。

有機農業を推進するというと、どうしても慣行農業がじゃあ悪いのかとか、慣行農業対有機農業の構図に陥りがちですけれども、決してそうではなく、とにかく第1次産業である農業従事者を支えることが大切です。

 その中でも環境再生、生物多様性を守るには有機農業が希望である、これは国も認めています。今後は有機農業を育てていく必要性があるわけです。有機農家となる障壁としては、技術の習得、教えてくれる人が少ないとか、販売先の確保、地域の理解や仲間づくりなど、特有の課題があるとのことです。

 今年3月に、岐阜県も有機農業推進計画を策定しました。有機農業に転換、参入する農業者が、有機農業に関する知識の習得や技術指導を各地で受けられる環境を整えていくことが課題で、有機農業指導員の育成や先進的な有機農業者と連携した研修の開催などが求められています。本市の来年度の農業政策への予算に期待をし、確認をします。

 

古川質問 2点目

食と農業を守る仕組みの必要性や課題をどのように認識しているのか。また、有機農業を育成支援していく考えは。

 

産業活力部長答弁

令和3年5月に、持続可能な食料システムの構築に向け、国は、みどりの食料システム戦略を策定し、中長期的な観点から調達、生産、加工、流通、そして消費の各段階の取組と環境負荷軽減への方向性を示しました。

また、議員からも御紹介がありましたが、岐阜県においても令和5年3月に県有機農業推進計画を定め、有機農業の推進に関わる施策を総合的かつ計画的に推進しています。

 

有機農業をはじめとする環境保全型農業の取組は、生物多様性の保全や地球温暖化防止などに効果を示すことが明らかになってきており、本市も自然循環機能を増進する有機農業の重要性を踏まえ、県の推進計画に基づく事業に参加しています。

 この有機農業の課題として、一般的に病害虫や雑草の対策など栽培管理や手間がかかるといったことや、人手が足りないという点がありますが、現在、岐阜農林事務所主導の有機農業推進プロジェクトに加わり、この地域における有機農業の実態の把握や課題の抽出と、それから解決策の検討に着手しているところであります。

 これらの検討結果については、今後、市内の農業関係者が集まる場などを活用し、情報共有を行うなどして、有機農業に対する理解の醸成に努めていく考えであります。

 また、販路の確保が難しいといった課題もあります。有機農産物とは少し異なりますが、農薬や化学肥料の使用を減らして生産した農産物を通じて、続可能な農業の普及啓発にも力を入れています。

 一例ではございますが、江戸時代、各務原市域の幕府直轄領地内で「御膳籾」が生産されていた史実を踏まえ、JAぎふ、市内農家、岐阜農林事務所や市が協力し、御膳籾復活プロジェクトを行いました。当時は存在しなかった農薬や化学肥料の使用を抑えた特別栽培米の生産や販売を通じ、環境負荷の軽減や持続可能な農業の大切さをPRしているところであります。

 そのほか、新たに有機農業に取り組む農業従事者に対しては、通常よりも増してかかる経費を補助する国の有機転換推進事業を活用し、財政面での支援のほか、助言なども行っております。

 このように、県やJAとも連携して各種施策を進めていますが、有機農業に関する課題は少なくないことから、新たにチャレンジしようとする方も含め、まずは親身に相談に乗るなど、きめ細かな対応に心がけ、理解醸成や普及啓発などに注力していくことが重要であると考えております。

 

古川意見

環境を守っていく。環境保全がこれから非常に大事だと思ったときに、環境とか農業に対するところへの予算編成というところに期待をしていきたいと思っておりますので、ぜひ反映させていただきたいと思います。