Safuro語録(その90:聴き齧りの達人) | 極楽ブログPart2

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世の中に寝るより楽はなかりけり浮世の馬鹿が起きて働く(「母の教へ給ひし歌」なのです)

「これは、こういうことなのだ。ふむ」


Safuroは、人から聴いた話を、さも昔から知っていたかの如く喋っては、自分で頷く癖があった。


例えば。


その1:ドライブのBGM


バッハの管弦楽曲をカセットテープに録音して、Safuroにプレゼントしたことがあった。


バッハの管弦楽曲は、車の運転中に聴くBGMとして最適である。


なんとならば。


バッハの管弦楽曲は、いわゆる絶対音楽で、まったくストーリー性がない。歌曲や標題音楽と違って、運転の邪魔にならないのだ。テープを渡す時、その旨をSafuroに説明しておいた。


しばらく経って、Safuroが言うには。


「運転中に聴くのは、バッハの曲が一番いい。絶対音楽は、運転の邪魔にならんから。ふむ」


あのねえ。それは、ワタシの持論なの。アナタが発見したんじゃないでしょ。


その2:HONDA車のリヤワイパー


キミタチは知るまいが、かつての国産車には、リヤワイパーが付いていなかった。雨が降ると後方視界が悪くなるので、気分が悪かったし、そもそも危険であった。


最初にリヤワイパーを装着したのは、HONDAのシビックだったと記憶する。さすがHONDA、気が利いているなあと感心し、Safuroにその話をした。


そうそう、その頃のSafuroは、まだ車を運転していなかったので、実感は無かった筈。


しばらく経って。


Safuroは、HONDAの役員と会食する機会があったという。


「そこで、HONDA車のリヤワイパーのアイデアを褒めたら、向こうは喜んだのなんのって。よく気がついて下さったと。ふむ」


あのねえ。それは、ワタシが教えたんじゃないの。ま、いいけどさ。


結論:Safuroは、聴き齧りの達人であった。