Marelliの靴の思い出 | 極楽ブログPart2

極楽ブログPart2

世の中に寝るより楽はなかりけり浮世の馬鹿が起きて働く(「母の教へ給ひし歌」なのです)

Marelliというイタリア発祥の靴メーカーがあるね。

Marelliの紳士靴は、中敷にこんなマークが貼ってある。




これが、原画らしい。どうでもいいけど。




さて。


遠い昔、大学生のワタシは、Safuroのお古のMarelliの紳士靴を履いていた。


実は。


Marelliの靴は、超高級という訳ではないが、結構いい値段がするのである。




ワタシは、何も知らずにその靴を履いて通学し、化学の実験をしたり、ソフトボールに興じたりしていた。


ある日、ワタシは、音楽仲間のオジサマのヴァイオリンのピアノ伴奏をするべく、彼の家を訪問した。


アマチュアの室内管弦楽団で、下手なフルートを吹いたり、ピアノを弾いていたワタシは、何故かそのオジサマに気に入られたのである。


玄関で脱いだワタシの靴に目をとめたオジサマが言うには。


「sifusoくん、それは、学生が履く靴じゃないよ」


そのオジサマは、ヴィヨームという高価なヴァイオリンを持っているのが自慢であった。最初は250万エン、それが、すぐに350万エンになり、数年後には自称1千万エンになった。ホンマカイナ。


グランドピアノと高価なオーディオセットが置かれた応接間には、フカフカのカーペットが、敷かれていた。そこで、我らはBeethovenやSeitzのヴァイオリン曲を練習した。


オジサマは、家を建てる時に、色々土地を物色した挙句、常盤湖畔の一角に豪邸を建てたのである。広い庭には芝生が植えてあり、白いテーブルと椅子が置いてあった。


「君においしい肉をご馳走しましょう」


フィレステーキをご馳走になったこともある。


「ここには、最初テニスコートをつくろうかと思ったんだけどね」


ガレージには高級車が停めてあるし、とにかく贅沢なオジサマであった。


そのオジサマが言うんだから、余程分不相応であったのであろう。


時は流れ。


冠婚葬祭用の靴が必要になった時、ワタシは、奮発してMarelliの靴を購った。確か、25,000エンだったと記憶する。


その靴は、何かのイベントの時に、誰かに間違えられて、行方不明になってしまった。


残されていたのは、同じMarelliの靴だったが、底が酷くすり減っており、草臥れていた!


それから。


再度購ったMarelliの靴は、すっかり草臥れてしまった。


その後購ったBurberryの靴も、ヨレヨレになった。


それにしても。


あと何回冠婚葬祭の機会があるかしら。もう一度、ちゃんとした礼装用の靴を購う必要があるかなあ。