先日から一昔前の歌手の伝記を読んでいる。
毒を喰らわば皿まで。
「ひばり伝」を読んだ。
「ひばり伝」は、800枚の書き下ろしである。2010年に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞したという。ふむ。
講談社によれば。
没後20年を経て初めて実現した画期的評伝
昭和と共にこの世を去った美空ひばり。膨大な資料を基に、その類稀な才能の軌跡を辿り、昭和という時代の精神を描き出す、壮大な-ひばり鎮魂の書
だそうな。
著者の齋藤愼爾サンは、名前からして古めかしいし、なんたって、サブタイトルが、蒼穹流謫だもんなあ。何のことやら三味線やら。
この人ね。今年3月に83歳で亡くなったとか。合掌。
とりあえず読んだ。後半は読み飛ばした。
なんとならば。
この本は、数多くあるひばりの伝記や評論のサワリの紹介と著者の感想の羅列に過ぎない。合間に、同時代の歌謡曲の歌詞が並ぶ。だからなんなのよ。
頻繁に引用される竹中労サンの著作のほうが、遥かに生々しく、面白い。
著者は、難しい漢字を好んで使うが、つまらない誤用が散見される。彼の漢字の素養は、本物ではない。学歴コンプレックスの裏返しではないか。
Safuro譲りのワタシの悪い癖で、日本語の誤用には虫酸が走るのだ。後半を読み飛ばした所以である。
こんな本が、文部科学大臣賞を受賞するなんて、信じられない。選者は、ちゃんと読んだのだろうか。
結論:本厚きが故に貴からず。(妄言多謝)