雨 と 無恥
雨。車窓から 眺める往き急ぐひとびと は此方 の 存在など気にも留めず 過ってゆくやけに視界 が暈けるのは油膜の所為 か記憶の残像 か傷。( 心然り軀然り )傷痕 が在る方が傷ついていられるとても意地悪な言い方だけれど可哀想と云われる方が可哀そがっていられる大変だと云われる方が大変ぶっていられる赦されれば 甘えてしまうのもっともっと深く深く本当 に恥ずかしい部分についた傷 は容易く晒せない(と思ってる)わたしはそんな傷 を 鏡に映す映った 其れ は如何とも 無知 故に 無恥映らぬ 其れはそれほど 深いのか知らぬ間に 消えたのか記憶を濾過するとかそんな話。