雨。
車窓から 眺める
往き急ぐ ひとびと は
此方 の 存在など
気にも留めず 過ってゆく
やけに視界 が 暈けるのは
油膜の所為 か
記憶の残像 か
傷。
( 心然り 軀然り )
傷痕 が 在る方が
傷ついて いられる
とても 意地悪な
言い方 だけれど
可哀想 と 云われる方が
可哀そがって いられる
大変だ と 云われる方が
大変ぶって いられる
赦されれば 甘えてしまうの
もっともっと 深く深く
本当 に 恥ずかしい部分に
ついた 傷 は
容易く 晒せない
(と思ってる)わたしは
そんな傷 を 鏡に映す
映った 其れ は
如何とも 無知 故に 無恥
映らぬ 其れ は
それほど 深いのか
知らぬ間に 消えたのか
記憶を濾過するとか
そんな話。