講演レポ★ | わたしに出会う旅*ハートヒーリング つきとあそぶ

わたしに出会う旅*ハートヒーリング つきとあそぶ

一番近くにいて、
一番興味があって、
それでも知りえないのが「わたし自身」

まだまだ未知なる自分に出会いたくて、きっとわたしは、人生を旅しているんだ。

「You&Me」を探求する旅のアイテムを分かち合います。魔法・占い・数秘・ヒーリングとかエトセトラ☆

とあるヒューマンケアの講演会の内容がとっても興味深くて、残しておきたいと思ったのでレポ。

 

「老いや死と向き合う現場のヒューマンケア」という調査発表。

高齢者の入所施設において、「看取り」という場面に出会った職員13名(男性6名、女性7名*平均年齢29.5歳。平均勤続年数6.5年)への聞き取り調査。

勤務内での避けようのなく、どうにもならない「困難」に出会ったときに感じる気持ちと、それに対する捉え方は、「看取り」という場面だけでなく、

人生の様々な場面で大切だと思ったのでシェアします。

 

まず、看取りケアに伴う心理的負担として感じる感情としては、

代表的なものとして

自信喪失

ケアに対する不安

ケアを通した無力感

看取り後の悲嘆

挫折感

があり、否定的な感情の処理が追い付かないのだそう。

 

ほかにも、後悔、重責感、理想と現実の葛藤、喪失感や寂しさ、衝撃、苛立ち、慣れへの恐れ、負担感がある。

 

こういった困難に対する打たれ強さ(レジリエンス)は、困難を乗り越えるたびに高まる。レジリエンスを成り立たせる要素としては、以下がある。

 

I am    (自己肯定・自己受容)良いところも悪いところも含めて自己を肯定し受け入れられる特性

I have  (サポート・人間関係)助け合える他者との信頼感を築き、ネットワークを広げていける特性

I can   ( 解決力・自己効力感)問題から逃げずに解決していこうとできる自分の能力を信じられる特性

I will (楽観性・未来展望)目標に対してうまくやっていけるという将来への楽観的見通しを持てる特性

 

逆境に耐え、試練を克服し、感情的・認知的・社会的に健康な精神活動を維持し、精神的に大きく落ち込むことなく適応し成長するストレス耐性の能力。

このレジリエンスを高めていく考え方が、調査の中で職員さんの語られた言葉の中に含まれている。

人生のあらゆる場面において、生かせる考え方だと思います。

 

*  *  *

 

まず【今を大切にする】

1、今できることを先延ばしにせずに実践する

2、関わる人すべてによい最期になるように最善をつくす

3、その人らしい人生を完成させるために今できることを考える

 

つぎに【ひとつの視点に固執しない】

4、すべての経験に意味をもたせる

5、物事の良い面に着目する

6、立場を置き換えて物事を捉えなおす

7、物事のネガティブな側面を否定せずに、多面的に受け入れる

8、自分にはない新しい視点を増やそうとする

9、老いや死を終わりと捉えない

 

これは、否定的な側面を強行に肯定的に再評価せずに、物事の良い面、悪い面を受け入れるという対処で、東洋の陰陽思想を思わせる。

 

【感情に振り回されない】

10、知識を得ることで、物事を客観的に捉える

11、対処不能な否定的な感情に距離をおく

12、感情的に反応しない

 

これは、アクセプタンスという「自分の思考と感情をあるがままの状態にしておくこと」その思考・感情が喜ばしいものでも辛いものでも、心を開いて、それを受け入れる場所を作ること。それが自然に湧き起ったり消えたりするのに任せることだそうです。

 

【心理的離脱】

13、人間の力の及ばない節理があると割り切る

14、老いや死を自然なこととして受け止める

 

最後が【巨視的視点をもつ】

15、人との関係で得たものを、別の他者に循環させる

16、人間関係の相互性に気づく

 

このような5つのカテゴリー、16の視点をもって否定的感情に対処することで、レジリエンスが高まる。

特に大局的視点を持つ人が、レジリエンスが高いとされた調査結果だった。

 

*  *  *

 

自己や状況のネガティブな側面をそのまま受け入れつつも、そこにこだわらない前向きな態度

仲間との調和や協調を重視し、周囲からサポートを得ること

世界は流動的で常に変化していて、それぞれの事象が互いに結びついて成立しているので矛盾はおこる。矛盾する主張のどちらも切り捨てない。

 

人とかかわる介護・福祉の現場。とくに「看取り」という場面の体験を自分の糧とされている職員さんの言葉は、そのまま人生のあらゆる場面で支えとなる考え方だと思った。