2023年02月21日放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'全国のご当地からくり時計を調査する大学生トリオ'
白石廉(シライシレン)さん(以下、白石)
竹田翔悟(タケダショウゴ)さん(以下、竹田)
木村元耀(キムラモトアキ)さん(以下、木村)

マツコ「マツコ・デラックスと申します」
竹田「竹田翔悟と申します。愛知工科大学4年生になります」
木村「まあ自分は大学生なんですけど、語るのもおこがましいので、あえて謎の存在として。木村元耀と申します」
マツコ「いやいや。ええと、統一してくれないかな?なんでからくり時計が好きになっちゃったの?」
白石「そうですね…」
マツコ「一応、一番こっちに座ってるってことは、本来はおまえがいちばんしゃべらなきゃ」
白石「そうですね」
マツコ「大丈夫か?」
白石「はい、がんばります。このたびはからくり時計に注目していただいて」
マツコ「そんな丁寧なところから?ありがとう、こちらこそありがとうございます」
一同「ありがとうございます」
白石「ちなみにマツコさん、どのようなからくり時計をご存じですか?」
マツコ「まあ一番あたしらはなじみが深いのは日テレの横にある、まああれ相当立派なやつだけど。ジブリのやつで」
白石「では今回のテーマはこちらです。ご当地からくり時計の最大の魅力。どこか不気味だけどもっと見たくなる」
マツコ「不気味さを感じたことは。まあまあ、日テレのやつはもう見た目もちょっとおどろおどろしいというか」
白石「独特な雰囲気で」
マツコ「だからあれだけど、意外とどちらかというとかわいい印象」
白石「…はい」
マツコ「あっ。ごめん、不気味よね。からくり時計は不気味よ、やっぱり」
白石「たとえば日本人形とか、けっこう昔のおうちにはいろいろ置いてあったと思うんですけど、ちょっと不気味さもありますけど、よく見ると愛くるしさもある」
マツコ「ああ、そういう意味ね」
竹田「子どものころ見ると、なんかたぶんトラウマになりつつも、その奥になんか良さを見つけているといいますか」
マツコ「だからそれでやめられなくなっちゃうタイプね」
竹田「そうですね」
白石「思い出を鮮明にしてくれるカリギュラ効果が絶大」
マツコ「ちょっと何言ってるんだか」
白石「子どものときに見たそういうものは、思い出に残りやすい」
マツコ「なるほど。同じ道でも子どものころは怖いと思ってた道とかあるよね」
石田「そういうところからからくり時計っていうのがもし旅先とかで見たときに、ちょっと不気味だなと思ったときに、そういう旅の思い出のひとつになる」
マツコ「なるほど。でも不気味だと思ったことない。…ごめん!」
《不気味さにハマる!ご当地からくり時計の魅力》
白石「僕たちがどういうからくり時計を好きになったのかっていうところから自己紹介をさせていただきたいと思います。芸術的な造形にひかれる白石廉です。出身は北海道。今は京都に住んでいます。ハマるきっかけになったものが登別温泉にある『閻魔大王のからくり山車』」
マツコ「だから不気味なんだよ」
ナレーション「年間400万人が訪れる人気観光地、登別の地獄谷近くにあるこちらのからくり時計」
白石「こういうものなんですけれど」
マツコ「あたし登別に3回くらい行ってるんだけど、これ知らないんだけど。どこにあった?これ」
白石「メインストリートの商店街にある」
マツコ「あった?こんなの」
白石「はい。その仕掛けがこちらです」
マツコ「なんで閻魔なのよ?詳しく見せちゃダメ」
白石「こういう感じに顔が変わります」
マツコ「いくつの時に初めて見たの?」
白石「初めて見たのが5歳」
マツコ「ああ、まあ5歳ならな、うん」
白石「そうですね、最初は本当に怖くて親の後ろに隠れて見ていたんですけど、なんか一回動いて終わってしまうと、種明かしのような感覚になってすごいそこからハマってしまったんです」
マツコ「いや、本当にダメよ。こんなふうに映したら。夢も希望もなくなるじゃない。あら、よかった、戻った」
白石「これが年に一度のお祭りがあるんですけど、そのときになるとこのように山車になって出てくるっていう仕掛けがありまして」
マツコ「なるほど、地獄谷があるから、それから閻魔を引っかけて。台湾のお祭りみたい」
白石「そこから本当に好きで、自分でもこういうジオラマにちょっとしてみて」
マツコ「からくり時計が好きなんじゃなくて、これが好きなんじゃない?もはや時計関係ないわよ。どの部分に時計があるの?」
白石「時間になったら動くっていうものを我々はからくり時計みたいな認識で」
マツコ「なるほど、もうそれ自体が時計じゃなくても、時間になって動き出せばそれがもう時計機能だと」
白石「そうですね」
竹田「一応時を知らせているものなので」
マツコ「あれ別に時を知らせているわけじゃないと思う。1時間に1回ショータイムがおこなわれ…時計だよな。時計だ」
竹田「次は僕の自己紹介をさせていただくんですけど、僕がそのからくり時計にハマったっていうのは」
マツコ「竹田くんって落語家さんみたいな話し方するよね。声だけ聞いていると仁鶴師匠みたいな」
竹田「2歳のときに道後温泉の『坊っちゃんカラクリ時計』を見たのがきっかけなんですね」
マツコ「そうか、愛媛出身なんだ」
ナレーション「愛媛県松山市の人気観光地、伊予鉄道道後温泉駅の目の前にあるこちらのからくり時計」
竹田「こちらのからくり時計でして。上が伸び上がったり、時計が回ったり、またその扉が開いたりとかして、夏目漱石さんの小説の『坊っちゃん』のキャラクターが出てくるっていうものなんですけど。人形もかわいいっていうよりはリアルっていう感じのからくり時計なので。僕自身これを最初に見たときが、もう本当に怖くて。怖くてもどうしても見ちゃうっていうような謎の魅力にとりつかれていまして。下の部分は道後温泉をモチーフにしていまして、温泉に入っているおじさま方が映っているっていうような」
ナレーション「そして、木村さんがハマるきっかけとなったのが」
木村「0歳のときに両親の結婚祝いのからくり時計が」
マツコ「ご両親が結婚式で誰かからもらったやつか」
木村「はい。動きがすごいので、ぜひ見ていただきたいですね」
(SEIKOマリオーヌ RE526B、1995年製)
木村「こんな感じでなんと文字盤が下がっていきます。お人形が出てきて鐘を鳴らすんです」
マツコ「1時間おきにこれ鳴ったらね、朝忙しいときイラっとすると思うよ。でも実はあたしちょっとほしいなと思った。これあかちゃんとか喜ぶだろうな、これ見ていたら」
木村「夢中になって見ていた記憶はあります」
マツコ「じゃあもう2、3歳くらいのとき、ずっとそれ夢中で見ていたんだ?」
木村「そうですね。これ以外にもけっこうたくさん買ってもらったりして集めて」
マツコ「えっ、家の中からくり時計だらけだったの?」
木村「そうですね。実家の一番時計がある部屋をお見せしたいと思います」
マツコ「『一番時計がある部屋』って」
木村「今日は実家の一番時計がある部屋をお見せしたいと思います。こんなふうにかなり時計がたくさん集まっています。正直これ以外にも実家じゃなくて今住んでいる下宿にも時計はたくさん置いてあるんですけども」
マツコ「子どものころからお小遣いとかお年玉で時計買ってたんだね」
木村「そうですね。一番使っていたのは時計に対してですね」
マツコ「すごいわ。いろんな人がいるなあ」
竹田「僕も木村さんと同じで」
マツコ「あんな状態?」
竹田「そうですね。僕の部屋の写真もちょっと」
マツコ「いやだ、日本に二人いるの?異常な国」
竹田「60台くらいはありまして」
マツコ「じゃあやっぱりいっしょだよ。お年玉とかみんな、こういうのに使ってたんだ?」
竹田「そうですね、お年玉だったりバイト代だったりとか、そういうのを全部時計につぎ込んでいる感じで」
木村「我々はたぶん感覚が麻痺している可能性がある」
マツコ「いやいや、可能性じゃなくて確実に麻痺しているよ。あれで麻痺してなかったらおかしいだろ、おまえ」
《全国約600か所から厳選!3人のベストからくり時計》
ナレーション「ここからは、全国およそ600か所を巡ってきたトリオが厳選、不気味だけどなぜか引き込まれるご当地からくり時計をご紹介」
マツコ「なにがオススメ?1個ずつ言ってよ」
白石「じゃあ1個、ちょっとオススメしたいものが。ここ二人が修理に関わったところ」
マツコ「修理に関わったの?」
白石「そうですね」
マツコ「そんな依頼を受けちゃうような感じでやってるの?今」
白石「依頼までではないんですけど、修理業者さんと付き合いがありまして」
ナレーション「全国の老朽化したからくり時計を救いたい。その思いから保全活動にも取り組む白石さんと竹田さん。そんな二人が修理に関わったのが、名古屋市の御園通両店街にあるこちらのからくり時計」
マツコ「御園が近いからこういう感じなのか」
白石「御園座のお膝元にある商店街のからくり時計になります」
マツコ「これがこんな夜突然、歩いてて突然これ始まったら、確かに怖いわよね。これ本当に昔の歌舞伎役者さんの音声、肉声使っているわけだ?」
白石「そうですね」
マツコ「だから怖いわよ」
白石「怖いですね」
竹田「僕らこれに関わらせてもらったのが、1年前くらいで、ちょっとお披露目をさせていただいたんですけど。修理が始まるまでの間がもうガタガタで、人形もほぼ動いてなかったし、動いている人形も振り落とされそうなぐらいものすごいスピードで動いていまして」
白石「今修理業者いなくて困っているんですってお話を聞いて」
マツコ「えっ、じゃああなたたちがつないだの?」
白石・竹田「そうですね」
ナレーション「他にも白壁の屋敷が立ち並ぶ美観地区で有名な、岡山県倉敷市にある『倉敷駅北広場からくり時計塔』。『マッチ売りの少女』や『人魚姫』など、4つのアンデルセン童話をモチーフにしたからくり時計や、宮崎ブーゲンビリア空港の構内にある民族芸能『高千穂の夜神楽』をモチーフにした歴史を学べるからくり時計なども、トリオのオススメ」
白石「なにかマツコさんのほうで気になるものってあったりしますか?」
マツコ「気になるって言われちゃうと、どれも気になるような気にならないような」
木村「実はこのマップに」
マツコ「おまえか。わからないな。コツつかめねえな、こいつら。わお、すごいわ。おもしろいわこいつら」
木村「このマップには載せてないんですけど」
マツコ「載せてないのかよ」
木村「VTRのほうをお願いします」
マツコ「もうこれはいいらしい。そっちを見てほしいみたい」
番組スタッフ「どれのこと?」
木村「えっと、輪舞っていう」
番組スタッフ「VTRはないです」
木村「そうなんだ。ヤバい」
マツコ「VTRなかったって」
木村「ヤバい、ヤバい」
マツコ「そうしたら今から作ってやれよ。『VTRご覧ください』って言っちゃったんだから。今からがんばって撮ってこいよ」
ナレーション「木村さんがどうしても紹介したくなったのが、東京『SEIKO HOUSE GINZA』にあるこちらのからくり時計『セイコー輪舞』。これまでのあらゆるからくり時計の技術が凝縮された緻密さに衝撃を受けたのだとか」
マツコ「木村は難しい。でもだからかわいい」
ナレーション「そしてここからは、観光がてらにぜひ見てほしい、それぞれのベスト1からくり時計をご紹介」
白石「私のベスト1はこちらです。細かい造形が大好きな白石のベスト1。動物を作り出すという世界観に恐怖。白い恋人パーク、『札幌からくり時計』です」
マツコ「『動物を作り出すという世界観に恐怖』?どういう意味?」
ナレーション「白石くんのベストからくり時計があるのは、北海道札幌市にある白い恋人パーク。1995年に開業し、年間75万人が訪れるお菓子のテーマパーク」
マツコ「札幌何回も行ったことあるけど、行ったことないな、ここ」
ナレーション「そのからくり時計がこちら」
白石「この時計塔の下のシャッターが開きまして、人形が出てくる」
マツコ「デカくない?これ」
白石「はい、時計塔の大きさも30メートルありまして、人形が本当に等身大の人くらいの大きさがありまして。そこにちょっとびっくりするのと、あとこのウサギのチョコレートを作っているんですけど、すごい幼い時に見たので、最初ウサギを切っているように見えた。それがすごい怖かったですね」
マツコ「それで怖くなっちゃったのね」
白石「はい。ちょっとこのお人形とか不気味なんです」
マツコ「いやこれはすごい金かけてるね」
白石「そうですね。本当にここ庭園があるんですけど、庭園も360度からくり仕掛けで」
マツコ「あとさ、これ以外に周りも動いてるのがすごいね。園内中がだからちょっと動くんだ?」
白石「園内中がからくり時計になっていまして、最初と最後には庭園のあちらこちらからシャボン玉が出る演出もあったりします」
マツコ「ちょっとこれスケールで言ったら日本一じゃない?」
白石「そうですね、大きさとしては国内最大規模」
マツコ「いやびっくりしたわ本当に」
ナレーション「続いて、竹田さんのベストからくり時計があるのは、福岡県飯塚市。その商店街にあるこちらのからくり時計」
(飯塚本町商店街のからくり時計)
竹田「パッと見、普通の時計で、どこが動くかっていうのがあんまりわからないんですけど。最初に時計が開きまして、ツバメも飛んでるんですけど。そのあと背景の壁がどんどん回っていきまして、昔の長崎街道っていう江戸の街並みを表した情景が出てきまして。さらに下から人形もせりあがってきて、大名行列を表した人形が出てきて行進するっていうようなものなんですけど。これの音楽がものすごく切なくて壮大なもので、人形もかなり動きとか細かいんですけど。ちょっと細かいところを見ていくと、人形が笑っているんですけど、目が笑っていなかったりとか、そういう点は幼い頃に見たら不気味かなとは思うんですけど」
マツコ「ちょっとあの造り好き。あんまりなんか似ているのないね」
竹田「なかなかないですね」
マツコ「おまえ最後がよかったんじゃない?おまえのやつちょっとずるいわ、スケールがデカくて」
竹田「負けますね」
マツコ「あれおまえ考えてやれよちょっとおまえ」
白石「はい」
マツコ「まあでもきっと木村のほうがあれを上回る。涙と感動の一大巨編をみせてくれるんだろ、おまえ」
木村「たぶん今までここにいる他二人が紹介してこなかったタイプのものを、ちょっと自分が紹介させていただきます」
マツコ「負けず嫌いだね」
木村「ポップでかわいいもの担当、木村のベスト1。かわいさと不気味さの共演。大和高田市文化会館モニュメント、シンボルからくり時計。VTRをどうぞ」
ナレーション「木村さんのベストからくり時計があるのは、奈良県大和高田市。大和高田さざんかホールにあるこちらのからくり時計」
木村「メルヘンチックな感じで、大木みたいな形をしています。びっくりするのが、真ん中が大胆にこうやって開いていって、大勢の人形が出てきます。こちら動物たちが演奏会を始めるんですけども、人形の作りがけっこう凝ってまして。見ようによっては不気味に見えるかもしれないんですけど」
マツコ「後ろのお寺とのコントラストがいいわね」
木村「これエンディングが」
マツコ「あら、急に悲しくなるの?」
木村「そうなんですよ。これ楽しげな音楽から一変してエンディングがすごい切ない感じのもので、すごいメリハリをつけた終わり方をしています」
マツコ「みんな通り過ぎていっちゃうものじゃない?その中で立ち止まって見てる人ってどんな人たちなんだろうと思っていたら、おまえらみたいなやつだった。だいたいね、これ誰か一人くらいは普通なんだけどね。全員異常」
~完~