中庭健介さんが語る、ゆづの今季FSの強みと伸び代 羽生結弦選手のスケートカナダ2013総括 | 見上げれば、青空 ~羽生結弦選手に夢を託して~

見上げれば、青空 ~羽生結弦選手に夢を託して~

励まされ、受けとめられて、初めて人は、生きていけるのかな?

コメント、嬉しいです。
励まされないと、何もできない性質なので・・・・。
って、いきなり弱気?

フィギュアスケートの羽生結弦選手を応援しています。

苦しい程に結弦くんが好きな方、ようこそ!

はい、前記事に続き、元フィギュアスケーター 中庭健介さんの記事のご紹介です。
本日4本目の記事です。

他の記事も読んでくださるという奇特な方は、ぜひこちらからお読み下さい。




◆日本男子フィギュア、五輪にかけるそれぞれの思い(2013.10.28)
グランプリシリーズ第2戦 スケートカナダ 男子フリー
元フィギュアスケーター 中庭健介 
http://www.athlete-journal.com/winter/kensukenakaniwa20131028.html

 日本の3選手には、それぞれ背負ったものがある。羽生選手は東日本大震災復興への「気持ち」。今年新しい家族が生まれた織田選手は「家族」。そして無良選手はオリンピックの舞台に立つことが出来なかったコーチでもある「父」のために。3選手は、それぞれの思いを胸にオリンピックという最高の舞台を目指している。

 2位に入った羽生選手は、冒頭の4回転ジャンプを転倒してしまった。選手にとって序盤に転倒するというのは、出鼻をくじかれる。次への技術的な要素に緊張が増し、心に余裕がなくなってしまう。

 羽生選手の場合、次に立て続けに4回転、しかも種類を変えている。今の多くの選手は4回転サルコウであれば4回転サルコウをふたつ、4回転トゥループであれば4回転トゥループをふたつ入れるのが普通である。

 羽生選手は確率の良い4回転トゥループをもっている。ルール上、4回転トゥループを2回使うことが出来るので、そういう選択肢もあった。だが4回転サルコウを入れることによって、トリプルジャンプの難易度の高いものを重複出来る。

 ジャンプは、入れることの出来る個数と種類が決まっている。4回転トゥループをあえて2本いかないのは、さらに得点の高い技術点を目指した結果である。

 攻めたプログラムだった。今年は最初に4回転サルコウをもってきているので、ある意味、自分への挑戦ではないかと思う。良い挑戦だ。

 これは世界最高の技術点を目指したプログラムだからだろう。世界王者のチャン選手が高い芸術点を持っているので、羽生選手は技術点でそれを上回る構成にしたのではないか。

 非常に難しい構成だ。その結果とは言い難いが、どうしてもジャンプの中盤にミスが出てしまったり、思うように滑りこなせなかった部分がある。

 技術的には、冒頭の4回転の転倒と、中盤のトリプルアクセルがシングルアクセルになってしまった失敗があり、4回転の転倒よりも、こちらの方が痛いミスとなった。

 羽生選手は世界一のトリプルアクセルをもっているので、ここは一番点数が稼げるところだった。しかしその後は崩れず、失敗した後のジャンプをきちんと成功させたことが大きかった。

 今回の羽生選手は、冒頭の4回転サルコウを転倒した後に4回転トゥループを踏ん張ってしっかり成功につなげたり、中盤のトリプルアクセルがシングルアクセルになってしまったが、次のトリプルアクセルはしっかりと成功につなげた。このようなカバーリングは非常に上手だった。

 一番彼の演技で気になったのは、テレビ解説でもあったように、スケートが滑っていなかったこと。それは高い技術を入れた結果ではないだろうか。

 表現しようと思っても、足元がしっかりしていなかった。フィギュアスケートは、エッジワークだったり、スケートを使って表現するスポーツ。羽生選手には滑りに関しての躍動感があまりなく、後半、ただジャンプをこなしているという感じになってしまったのが、芸術点が伸びなかった要因のひとつではないだろうか。

 今までよりも柔らかく動くところは柔らかく動けており、動きのメリハリが見られるようになった。プログラムの厚みが増した。

 羽生選手は若いのでスポンジのように良いものは全部吸収して次につなげられると思う。この失敗が近い将来、良かったなと言えるようにこの失敗をうまく先につなげてくれると思う。次戦もチャン選手との直接対決が待っている。課題が見えたことで、その時はまた面白い戦いをしてくれるのではないかと思う。

 3位になった織田選手だが、コンビネーションジャンプが1種類しかなかったことが痛かった。フリーではコンビネーションジャンプを最大3つ入れることができる。コンビネーションジャンプが上手な織田選手にとってこのミスは大きかった。

 冒頭、4回転を予定していたジャンプが立て続けに3回転になってしまった。4回転も含めて、3回転は跳ぶ回数に制限がある。その結果、後ろのジャンプを構成上変更せざるを得なかった。8個あるジャンプのうち、同じものを跳んで良いのは2つまで。ただし、2つ使う場合は、どちらかがコンビネーションジャンプでないとならない。

 冒頭で同じ種類のジャンプを1発目2発目で跳んでしまった結果、そこのどちらかがコンビネーション扱いとなり、結果的にそこでひとつのコンビネーションが行われたことになり、残り2つしか跳ぶことが出来なくなってしまった。本来この後、2つコンビネーションを跳ぶことが出来たが、過去にコンビネーションジャンプを跳びすぎて点数が低くなったこともあり、ひとつしか付けることが出来なかったのだろう。

 織田選手はコンビネーションジャンプをどの種類からでも簡単につけることが出来る。トリプルトゥは、ほとんどの選手がコンビネーションの後で使う。つまり同じジャンプをプログラムの中で3回跳べないので織田選手の得意技だった3回転3回転が、冒頭の2つのミスで使うことができなくなってしまった。

 4回転ジャンプをどちらかで跳んで失敗していたら、どこかで3回転3回転のコンビネーションを使用出来た。コンビネーションジャンプが抜けたことが大きかった。コンビネーションジャンプを跳んでいたら、さらに4点から5点、上乗せ出来ていただろう。

 もしかしたら中盤のトリプルフリップの後にコンビネーションを予定していたかもしれないが、そこで織田選手には珍しい転倒。勢いに乗りきれなかった要因のひとつだ。

 スピンに関してはもう少しレベルを取りにいける。この辺はさらなる得点アップが狙える。芸術点がチャン選手に次いで2位だったところは評価をしたい。芸術点がしっかり出ていて、オール8点台に迫る79.86という評価だった。スケートが良く伸びていることがその源になっている。スケートを効率よく滑らせることが出来る。無駄な力みが全くなく、氷に抵抗なく滑れる。きれいに鮮やかに滑ることが出来るし、スピード感が楽に維持出来る。

 プログラム全体を見たときに、ジャンプも失敗も転倒もあったが、点数が伸びた。曲が「ウィリアムテル」なので軽快な織田選手の動きに合っており、身のこなしが良かった。音に乗って伸びやかに滑っていた。

 私が現役時代に一番難しかったのは、狙った試合を狙った順位で終わらせることだった。昨年までの無良選手はどちらかというと、順位とかではなく、自分のベストを狙いにいき、挑戦者として臨んでいたように見えた。ところが昨年、グランプリシリーズを初めてとって世界選手権に出場した。「オリンピックを狙える位置にいるのなら狙いたい」と本人が言っていたが、オリンピックの距離が近くなった結果、思い切りがなくなったように思える。安全にいこうとして、無良選手の本来の思い切りの良さが影を潜んでいた。どうしても狙いにいっているので、消極的でジャンプに勢いがなかった。

 その結果であろう冒頭の2つのジャンプの大きなミス。これを引きずったまま4分半をこなしてしまった。無良選手には、次戦は自国開催のNHK杯なので気持ちを切り替えて挑戦者の気持ちで戦ってほしい。

 3選手とも課題が出来た試合だっただろう。その課題や得たことを次戦に生かし、ぜひ福岡であるグランプリファイナルへのチケットを獲得してほしい。

(記事は以上)



4回転を二種類入れること自体の強みを書いてくれてる記事は他にもありますが、
3回転のジャンプの難易度を上げていける点に言及した記事は、
他には、あまり無かったのではないでしょうか?

私は細かいルールを気にせずに楽しむファン歴ばかりが長い素人なので、
ルールについては、都度、調べながら勉強しながらです。

だから、「だが4回転サルコウを入れることによって、トリプルジャンプの難易度の高いものを重複出来る。」の意味が、具体的によくわからなかったんですよ。

4Tが回転不足になって3T扱いになってしまい、結果的に3Tが3つ以上になってしまうリスクを負わないということ?

(今季はゆづ、やってないけど、みんながよく組み入れる)4T-3T以外にも、コンボの二つ目三つ目に3Tを付けられるねってこと?

(コンボの二つ目以降のジャンプは、トーループかループだそうなので~Wikiでお勉強http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97_(%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88))

ともかく、単純にサルコウがトーループよりも基礎点が高いよってことだけじゃない得点源になるということが、わかりました。


体力・持久力についても、
「足りない」「課題だ」と、クリケットのコーチ陣が口をそろえて指摘するし、
日本のメディアも、「課題は持久力」なんて見出しを当たり前のように書いている訳だけど、

それは、スケート選手として絶対的に足りないのではなく、
世界最高の技術点を目指すためには、相対的に足りないのだということ。

その部分を解り易く書いてくださったので、胸が空く思いです。



このまま順調に、少しずつで良いから、持久力を伸ばしていけば、
演技後半に、指先まで、
いや、指先の、さらに1メートル先の空間にまで気持ちを込めて動いていく余裕が生まれるでしょう。


見上げる動作では、首だけでなく、
胸骨を開き、肩甲骨ごと身体を持ち上げていくことが
無意識のうちにできるようになるでしょう。


その一瞬の伸びやかさが、
演技を大きく見せ、物語を膨らませていくのですよね。


前記事で中庭さんが指摘していた芸術点の伸びは、
こうやって積み上げられていくのですよね。


なんて伸び代の大きいプログラムなんでしょう!


次のエリック杯で、
どの部分にどのような成長が見られるか、
楽しみで仕方がありません。




応援クリックが励みになります。こちらのバナーへも↓ ぽちりとお願いします(^-^)/


フィギュアスケート ブログランキングへ 


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
$見上げれば、青空 ~羽生結弦選手に夢を託して~-どこからかな?