英語の先生のハートフルな話 | 頑張るお母さん チャレンジ人生 in U.S.A.

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アメリカの生活、仕事、教育についてのブログ
時々ペットの話も。
日本語教師です。
英語が苦手、だけど頑張ってます。
毎日がチャレンジです。

今日で子供たちの中学校は
今年度終わり
明日から2ヶ月ほどの夏休みに入ります。
始業は8月3日だそうです。
毎年早くなる・・・

先週、ほとんどのクラスが
期末テスト前の最後の授業でした。

娘が先日
「Mr.Aがとってもハートフルな話をしてくれた」
と、言って教えてくれました。


Mr.Aは英語の先生です。
英語の全米模試でも高得点を出す娘に
「発言が少ないから」と”B"にしてしまう先生。
「僕のクラスで”A"を取るのは難しいんだよ」と。
でも、動物園のボランティアでは
素晴らしい推薦状を書いてくれて、
面接にあたってのアドバイスもしてくれました。


この先生は娘が6年生の時に
前半、サブの先生として教えて下さいました。
信じられない事ですが、
6年生が始まる前のオリエンテーションで
「英語の先生が退職してしまった」と言って
先生が決まっていませんでした。
あと数日で学校が始まるのに!

そこで急遽、赴任したのがA先生
だけど彼はフルタイムの先生にはなりたくないと
後半、フルタイムの先生が来た時に
学校を去ってしまいました。
生徒たちはA先生が好きだったので
とっても残念がっていたのを覚えています。
私は、アラフィフの男性が
どうやって生計を立てているのか気になりました(笑)

ところが、あとから来た先生
生徒、父兄から不評だったようです。
娘も「あの先生からは何も学ばなかった」と断言します。
どうも学年末にクビになったようです。

7年生のオリエンテーション
なんと、そこにA先生がいるではないですか!
娘や他の生徒たちは大喜びです。
結局、7年、8年と二年間
A先生の英語のクラスを受けることになり
娘の英語の学力も確実に上がっていきました。

そんなA先生が最後の授業に
生徒たちに言った言葉です。

「僕はいろんな学校で教えてきました。
君たちが6年生の時にサブとして教え、そして辞めた時、
いつもと違うことに気がつきました。
なぜか、君たちの事が心に残り、寂しく思うようになったのです。
こんな気持ちにさせたクラス、学校はありませんでした。
学校から再度、教師として教えてくれないかと連絡が来た時には
嬉しくて、ぜひ7年生と8年生を受け持ちたいと言いました。
また君たちと会いたかったから。
本当に君たちは素晴らしい生徒です。
そして、僕にとって君たちは教師と生徒と言う上下関係は無く
僕と対等(Equal)の位置にありました。
そう、君たちは僕にとって対等でした。
2年間、一緒に過ごせた事を嬉しく思います。ありがとう。」



こんな感じのお話をしてくれたそうです。


教師と生徒が対等と言う考え
それを嬉しく思う先生
アメリカらしいなと思いました。

先生がホワイトボードに書く文を
生徒たちが綴りが間違っているとか
文法が変とか躊躇せずに指摘して
「ちょっと待って、僕の自尊心が潰されそう・・・」
と、言った先生です(笑)


子供にとって先生の存在は大きいですね。
成績が良くも悪くも大きく変わる事にもなり
それは、子供たちの将来にも影響します。

娘はA先生のことは一生忘れないでしょう。
面接時のアドバイスも。

先生は高校生のクラスは教えませんが
校舎は同じなので
廊下ですれ違ったり
先生の教室の前を通ったり
先生が辞めない限りは来年も会えます。
仲良しのお友達と
「Hi! Mr.A」と挨拶する事でしょう。