刑事コロンボ/死の方程式(1971) | つぶやキネマ

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大好きな「映画」について「Twitter」風に
140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


刑事コロンボ/死の方程式(1971)


 スタンフォード化学工業の創業者の息子ロジャー・ス
タンフォード(ロディ・マクドウォール)は、幼い時に両
親が亡くなり会社の後を継いだ叔母夫婦に育てられたが
先代の息子で専務という立場を利用して放蕩三昧、経営
不振の会社の売却を進める叔父デイヴィッド・バックナ
ー(ジェームズ・グレゴリー)は、ロジャーの不祥事や会
社の金を湯水のごとく無意味な事業に投入し無駄遣いし
ている事を調べ上げ解雇しようとしていた。叔父から解
雇を告げられたロジャーは、パインワイルド山荘での売
却交渉会議に向かう叔父の殺害を計画、愛用の葉巻の箱
に爆薬を仕掛け恋人の社長秘書ヴァレリー・ビショップ
(アン・フランシス)と過ごす等のアリバイ工作をして夜
に帰宅すると、ロスアンゼルス市警の殺人課刑事コロン
ボ(ピーター・フォーク)が現れる。夫から山荘に向かっ
てる途中とのメッセージが留守番電話に残っていたが山
荘には到着していない事がわかり、叔母ドリス(アイダ・
ルピノ)が警察に通報したのだった。翌日、爆発によって
谷底に転落した車と叔父と運転手クインシー(ローレンス
・クック)の遺体が発見されるが、コロンボは爆発物を使
用した計画殺人ではないかという疑念を持つ...というお
話。ストーリーや犯罪の手口はナカナカ面白いのだが、
コロンボがロジャーが怪しいと気がつく描写が解りやす
過ぎたり、ロジャーがコロンボの疑念を利用して叔母に
取り入り、副社長エヴァレット・ローガン(ウィリアム・
ウィンダム)や恋人ヴァレリーを解雇して社長の椅子を手
に入れるという、コロンボが捜査らしい捜査をしないま
ま完全に裏をかかれた感じで、逮捕の決め手もロジャー
を罠にかけ自白させるという奥の手のみというのも、刑
事モノとしては物足りない感じ。そんな訳で、ファンが
楽しみにしているコロンボのオトボケ捜査がほとんど無
いのも寂しい。爆発現場に向かうために乗るロープウェ
イで高所恐怖症が発覚するのだが、化学工業内の巨大な
高層プラントの階段をロジャーと話しながら平然と降り
て来たり(何故登ったかは描かれていない)、ロジャーを
罠にかけるために再度ロープウェイに乗るのだが今度は
呑気に景色や高さ、安全性について言及しているのもオ
カシイ...「死者の身代金(1971)」では飛行機操縦させら
れてたし。クライマックスのロープウェイ内でコロンボ
が葉巻の箱を開けようとするのだが、カットが変わるご
とに箱の蓋を留めてあるテープが剥がれていたり元に戻
ったりと忙しい...スクリプターのミスなんだろうけどね。
しかし、行方不明事件にいくら敏腕だからって殺人課刑
事を送るって、ロスアンゼルス市警は何考えてんでしょ
うねぇ。


●スタッフ
監督:エドワード・M・エイブロムス
製作総指揮:リチャード・レヴィンソン、
ウィリアム・リンク
ストーリー原案:レスター・パイン、ティナ・パイン
脚本:ジャクソン・ギリス
ストーリー監修:スティーヴン・ボッコ
撮影:ハリー・ウルフ
音楽:ギル・メレ


●キャスト
ピーター・フォーク、ロディ・マクドウォール、
アイダ・ルピノ、アン・フランシス、
ジェームズ・グレゴリー、ウィリアム・ウィンダム、
ローレンス・クック


◎注1; ロジャーを演じたロディ・マクドウォールは、
ジョン・フォードの「わが谷は緑なりき(1941)」でデ
ビューし、「マクベス(1948)」「クレオパトラ(1963)」
「偉大な生涯の物語(1965)」等の個性的な俳優として
活躍して来たが「猿の惑星(1968)」のコーネリアス博士
を演じてシリーズ全作とTVシリーズでも"猿"を演じてい
る。そして叔父のデイヴィッド・バックナーを演じたジ
ェームズ・グレゴリーとも「続・猿の惑星(1970)」で共
演している。「二枚のドガの絵(1971)」に出演したキム
・ハンターは「猿の惑星シリーズ」3作でジーラ博士を
演じていて、後のシリーズには"猿"組がさらに登場する
という、「コロンボ・シリーズ」はさながら「猿の惑星」
同窓会のようであります。さらにさらに、社長秘書ヴァ
レリー・ビショップを演じたアン・フランシスは「禁断
の惑星(1956)」のヒロインのアルティア・モービウスを
演じていたんですが、同作には本シリーズ前作「もう一
つの鍵(1971)」
のレスリー・ニールセンとリチャード・
アンダーソンも出演しています...コロンボ・シリーズは
"惑星"同窓会ですな。副社長エヴァレット・ローガンを
演じたウィリアム・ウィンダムは、ピーター・フォーク
=コロンボの第1作「殺人処方箋(1967)」にも出演、シリ
ーズが進むにつれて過去に出演した俳優が別の役で再登
場というエピソードが増えていきます...特にチョイ役俳
優の再登場率が高いので、発見した時は妙に嬉しかった
りします。


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