スター・ウォーズ(1977) | つぶやキネマ

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大好きな「映画」について「Twitter」風に
140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


スター・ウォーズ(1977)


 遠い昔、はるか彼方の銀河系…銀河帝国による圧政下、
帝国の最終兵器デス・スターの設計図を入手した反乱同盟
のレイア・オーガナ姫(キャリー・フィッシャー)の宇宙船
が帝国軍の戦艦に襲われ、設計図を託されたドロイドR2-
D2はC-3POは脱出して砂漠の惑星タトゥイーンに漂着す
る。砂漠を放浪していた2体はジャワ族に捕えられ農場の
青年ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)に売り渡
され...というお話。画面の奥へ流れて行く字幕で物語のバ
ック・グラウンドが簡潔に説明された後、反乱軍の宇宙船
を追って画面いっぱいのスター・デストロイヤーが延々と
続く巨大さに圧倒され、C-3POとR2-D2、ダース・ベイダ
ーの登場で「この映画は絶対面白い !」と思ったもんです。
アメリカで大ヒットしたのにも関わらず日本公開が1年後
という事になり、その間に待ちきれずに渡米して観に行く
お金持ちや業界人が続出、「惑星大戦争(1977)」「宇宙か
らのメッセージ(1978)」といった日本製パチモン(失礼)が
先に公開されるという珍事も起きて、渡米して観て来た後
に"スター・ウォーズ評論家"に変身する業界人が多数出現
等々、噂ばかり聞かされてさんざん待たされた後の観賞だ
っただけに、興奮はピークに達し思いッきり楽しませても
らった。Sci-Fi映画は数あれど宇宙での戦闘を迫力たっぷ
りに描いた作品は初めてと言っても良いし、子供っぽいス
トーリーにも関わらず本作が感動的なのは、田舎暮らしの
青年ルークが表舞台へ飛び出して成長し手柄を立てるとい
うシンプルで古典的な青春映画になっているからだろう。
マーク・ハミルの初々しさや、お姫さま像を刷新したキャ
リー・フィッシャー、ヤクザな感じがたまらないハリソン
・フォードという新人ばかりのメイン・キャストを、数々
の名作に出演し演技力と存在感を併せ持つアレック・ギネ
スとピーター・カッシングのふたりの名優が支えるという
キャスティングも素晴らしい。世界的大ヒットを受けてジ
ョージ・ルーカスは全9部作になるとぶち上げたのを聞い
て、友人たちと「長生きしないとね」と語り合ったものだ
った...その内の何人かは願いかなわず逝ってしまったのが
残念。しかし全9部作に 「特別編」が含まれるオチとは夢
にも思わなかったよ、ルーカスさん(注1)。


●スタッフ
監督・脚本:ジョージ・ルーカス
製作:ゲイリー・カーツ
撮影:ギルバート・テイラー
特撮:ジョン・ダイクストラ
音楽:ジョン・ウィリアムズ


●キャスト
マーク・ハミル、ハリソン・フォード、
キャリー・フィッシャー、アレック・ギネス、
ピーター・カッシング、アンソニー・ダニエルズ、
ケニー・ベイカー、ピーター・メイヒュー、
デヴィッド・プラウズ、ジェームズ・アール・ジョーンズ


◎注1; 本作に関しては色々書き出すとキリがないので
「特別編」について。CGや編集によって改変された部
分は結構沢山あるのだが、砂漠でストームトルーパーが
乗っているデューバックという恐竜風の生物、モス・ア
イズリー宇宙港がスケールアップ、ミレニアム・ファル
コンやXウィング・ファイターの発進シーン、惑星オル
デランやデス・スターの爆発がスケールアップ等が解り
やすい場面。しかし重要なのは「ピープルvsジョージ・
ルーカス(2010)」
で集中的に叩かれていたように、スト
ーリーやキャラクターにも大きく関わってくる「ジャバ
・ザ・ハットの登場」「ハン・ソロと賞金稼ぎグリード
の対決」 だろう。ジャバ・ザ・ハットは「ジェダイの
復讐(1983)」で初めて登場するまでは、ハン・ソロの話
や噂ばかりで実態がさっぱり解らない"コロンボのカミさ
ん"状態だった...太った俳優が演じているボツになったシ
ーンの写真が流出してはいたけど。それがサスペンスを
盛り上げていたし、初登場した時の外見的な衝撃は「ジ
ェダイの復讐」のウリでもあったはずなのだ。それをあ
えて登場させる事にしたのは、前史を描く1993年からの
新三部作にジャバ・ザ・ハットを登場させる考えがすで
にあったからなのだろう。新三部作に登場すれば、エピ
ソード1から順に観た時に正体不明だからこそのサスペ
ンスや外見的な衝撃は無意味になってしまう。ルーカス
は、1977年から見続けている熱心なファンを犠牲にして、
新三部作によって獲得するであろう新しいファンのため
に「特別編」での改変を決断したんだろう...CGの出来が
悪すぎてDVD化の際に修正するというオマケ付き。ハン
・ソロと賞金稼ぎグリードがモス・アイズリーの酒場で
対決するシーンは、オリジナル版ではハン・ソロが問答
無用でグリードを撃ち殺しているのだが、「特別編」で
はグリードが先に撃ちハン・ソロが撃ち殺すというあり
得ない展開に改変されている。賞金稼ぎとして暮らして
来たグリードが1メートル先に身動きもせずに座っている
相手を先に撃って"弾が当たらない"のだ...これはもう笑い
話にもならないよね。ハン・ソロは密輸船の船長で数々
の悪事を働き賞金首となっている"ワル"だったのだが、
ルークやレイアと行動する内に正義に目覚め助けに来る
というあたりがストーリー的にも魅力だったのに、最初
から正当防衛という"ルール"を守る"良いヤツ"ではキャラ
クターが正反対だろう。人気キャラのハン・ソロを守ろ
うとしたのかもしれないが、この件に対するルーカスの
心理は理解できないよね。オリジナル版を製作したスタ
ッフに対する敬意や感謝の気持ちが感じられない点や作
品のバランスが悪くなっている場面を除けば、修正が効
果を発揮している部分もあるので"ジャバ・ザ・ハットが
登場せずハン・ソロが問答無用で撃ち殺す"「特別編」が
観たい...個人的にはどう考えても攻撃作戦に影響がありそ
うな間違っているデス・スターの設計図を直して欲しかっ
たんだけどなぁ。


 

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