■夢見る頃を過ぎても | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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映画 [新作・旧作・TRAILER] を中心に、ツボにはまり、ボヤキもチラホラの果てしない
日記になるか、カッカッしながらも、とほほの日記になるか・・・
ツボとボヤキで「ツボヤキ」日記。では参ります!


■UNCONDITIONAL LOVE 夢見る頃を過ぎても

●夫婦の問題を絡めて、イギリス、ルパート・エヴェレット繋がりで、邦題「夢見る頃を過ぎても」参ります!この映画は、もう~楽しくって頼もしくって、やるじゃないか!と嬉しくなるコメディ。

映画「夢見る頃を過ぎても」の主人公は、大好きなスター、ビクター・フォックスに憧れて、夜も昼も彼に夢中の主婦グレイス。あ、どっか日本にも最近増えたかも(苦笑)。で、この主婦グレイス、夫の世話はやるものの、どっか上の空。夫は、これまた仏頂面とでも言えるよーに、彼女の言動には呆れ果てたか、既にそんな感情も通り越して無関心の様子。この夫婦、昔の熱い思いも冷めてしまった感がある。それでもグレイスには、夫に対して特別な不満もなく、日々を暮らしている、といった風。彼女は、ただただ大好きなビクターがテレビの画面から微笑みかけてくれさえすれば、その日一日がバラ色になってしまう、そんな調子。




今日も朝からテレビでビクターの映像が流れて、ご機嫌なグレイスはルンルンと彼の歌を口ずさみながら、朝食の用意。ところが夫は藪から棒に別れたい、だと。グレイスにしてみれば、突拍子も無い出来事!。呆然とするグレイスを前に、別々に暮らしたいと抜かす夫なのでござる。このまま老いさらばえていくのがいやなんだとか、なんとかブツブツ言いたい事を残して、仕事に出かけちまうデスよ。
さ、グレイスはどーする。心ここにあらずのまま、受話器を置く。折角のチャンスをふいにしてしまう。?チャンス?そう、朝のテレビ番組では、ビクター・フォックスのファン代表5人をスタジオに招き、憧れのビクター・フォックスがそのスタジオにやってきて、特別なショーをやる、という告知があった。それに彼女は電話で応募して当選したばかりだった、が、夫のあまりにショッキングな言動に狼狽した彼女は、受話器を置いてしまった。ガチャン、テレビ局の担当者もあれあれ???。




物語は、こんな朝の一幕から始まる。子育てを終えて、孫も生まれたというから、多分50代半ばを越えた夫婦の趣味趣向、感情のズレ。どこにでもありそーな話なのだが、ここまでは行かない。行かなきゃ、物語は生まれない。
さ、グレイスはどうするか。孫の面倒を見る約束もあり、嫁と待ち合わせて、ショックな出来事を吐露。この息子の嫁がすこぶる出来た嫁。負けない不屈の精神に溢れて、物語の中でも終始、元気で小気味良く、機転の利いた活躍を見せる嫁。
さ、どーする。結果、グレイスは、夫の言うがままに従うしかないのか。否、まずは、もう一度、当選したあのテレビ番組に電話をかけて、なんとかビクター様に会いたい、と願う。も、この際、やりたい事はやってのけるしかない、という開き直りにも似た心境。人生、お先真っ暗だものな。てな、事です。で、なんと融通の利くADらしき担当者の計らいで、スタジオに向かうことになるのだ。強引グ・マイ・ウェイ、やん。








お洒落したビクターのファンが、ドキドキワクワクでテレビ局のスタジオで憧れのビクターの到着を待つ。ところが事件デス!あの大好きな大好きなビクター・フォックスが、な~~んと連続殺人犯に殺されてしまった、だと!!!
はい、すっかり長くなったデスが、ここからがこのワクワクの物語の始まり。夫に三行半を突きつけられ、愛するビクター・フォックスを殺されたグレイスのとった行動は?
も、こうなりゃビクターの住んでいたイギリスに行くしかない、ってか。





歌が巧くって、ダンスも巧いイギリスから世界的なスターになったビクター・フォックスを演じるのは、持ち前のエンターティナー振りをふんだんに発揮するジョナサン・プライス。そのビクターが日々、妄想の中に出てくるまでに熱く憧れる主婦グレイスに、キャシー・べイツ。無愛想なもっそり夫にダン・エイクロイド。利発な嫁にメレディス・イートン。嫁を心底愛する息子に「アンダーカバー・ブラザー」「U-571」「イベント・ホライゾン」のジャック・ノーズワージー。窓拭きの若者にピーター・サースガード。で、ルパート・エヴェレットは?グレイスの憧れのビクターの恋人だったデスよ!









後は言うまい、語るまい。コレは見てのお楽しみ。軽目なコメディなんだが、夫に飽きられた専業主婦だった女が、なんだか世の中の理不尽さを嘆くよりも、一歩前に前進するお話。自分が若い頃に夢見た事は何だったのか。当たり前に、普通に、自分が夢見た事を実現したい、とつぶやき、自分で自分の背中を押したら、まあ~こんな出来事になってしまいましたとさ、と。グレイス役を演じるキャシー・べイツだから、演技には何の不安もなく、ユーモラスで滑稽でありながら、正義感もあり、人情味のある暖かな人柄を見せてくれる。体型もいいんだな、これ。









で、世間でちょいと偏見の目で見られがちなゲイ、低身長の役どころを逆手にとって演じたルパートとメレディスの貢献度がここでは大きいやね。メレディスが嗚呼ァ~~と叫ぶ度に事が進むから、も、嬉しくなっていくデスよ。そこに、全てを当たり前に受け止め、まったく同じ視点で物事を理解していこうとするキャシー・べイツ演じるグレイスの存在が、この物語の魅力を更に膨らませた。
ジョナサン・プライス、ダン・エイクロイド、ピーター・サースガード、リン・レッドグレーヴ然り。この映画「夢見る頃を過ぎても」に登場する俳優の誰もが楽しげに演じたことだろうな、と見終わってニヤニヤしてしまうゾ。
付録でいえば、ジュリー・アンドリューズが本人のまんまで、オチャラケてくれて登場。バリー・マニロウまで出てくるんだ。これはもう~気分をぱっと明るく、愉快にさせてくれる大事な一本デス。イギリスでの2002年秋公開当初のタイトルは「Who Shot Victor Fox?」だった模様。アメリカ公開時に「UNCONDITIONAL LOVE」に改定された、かな。フランスタイトルは「AMOURS SUSPECTES」。見逃すには勿体無い。日本未公開のまま、惜しいな~。レンタルに頼るか。(2002年/製作国イギリス/アメリカ公開2003年/日本未公開)










▲Trailer
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▲Trailer:"Unconditional Love"
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●Directer:P.J. Hogan P・J・ホーガン
●Screenwriter:Jocelyn Moorhouse ジョスリン・ムーアハウス
 P・J・ホーガン P.J. Hogan
●Cast:Kathy Bates キャシー・ベイツ Rupert Everett ルパート・エヴェレット Meredith Eaton メレディス・イートン Dan Aykroyd ダン・エイクロイド Jonathan Pryce ジョナサン・プライス Peter Sarsgaard ピーター・サースガード Lynn Redgrave リン・レッドグレーヴ Stephanie Beacham ステファニー・ビーチャム Richard Briers リチャード・ブライアーズ Julie Andrews ジュリー・アンドリュース Barry Manilow バリー・マニロウ


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夢見る頃を過ぎても