『カシスウー論』 ~乃木坂のバー『コレド』編~
こんにちは イイダテツヤです。
第69回『カシスウー論』は乃木坂にあるバー『コレド』編です。
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乃木坂というのは、東京のエアポケットのような場所である。
六本木と赤坂と青山一丁目のちょうど真ん中あたりにあって、
便利と言えばこんな便利な場所はないのに、乃木坂自体にははっきり言って何もない。
千代田線乃木坂駅の真上がちょうど乃木坂トンネルになっているため、
この地域そのものが奇妙な立体交差になっていて、
「ここが駅前でございます」という典型的な発展がしにくくなってしまったのだ。
まるで通過するためだけにつくられた、悲しく、せつない街なのだ。
言ってみれば、瀬戸大橋の橋脚だけが突き刺さっている、不幸な小島みたいなものだ。
でもまあ、立地は便利なんですよ。ものすごく。
そんな乃木坂トンネルの赤坂方面出口のすぐ脇にバー『コレド』はある。
一見さんがふらっと入りやすい店とは言いがたいが、
入ってみると、なかなか落ち着いた素敵なバーだ。
そして、このお店には、割と立派な劇場スペースが併設されていて、
演劇の公演や音楽ライブなどが頻繁に行われているらしい。
余談ながら、ここのオーナーは女優の桃井かおりのお兄さんで、
芝居とか、音楽なんかをやる人を応援するような思いで、店をやっているらしい。
(初めてこの店を訪れたとき、たしかそんなようなことを言っていた)
その流れで、あたかも宣伝みたいになって恐縮だが、
今年の10月に、私もこのスペースで芝居をやろうと思っている。
(というか、すでに決定している)
古い仲間や新しい人たちなど、いろいろな人に集まってもらって、
芝居というか、コントというか、とにかくちょっとした公演を予定しているのだ。
このブログでも前に少し触れた通り、私は以前芝居をしていたのだが、
それももう10年以上前になる。
そんな状況だから、
「今度、芝居をやろうと思っているんだ」と誰かに言うと、
「なんで、いまさら??」
「どういう風の吹き回し??」などと、驚き半分、呆れ半分みたいなリアクションをされる。
それは仕方がない。
だいたい自分でも「なぜ、いまさら芝居をやるのか?」という問いに、
明解な答えなど持っていないのだ。
なんとなく、そんな時期が来ているような気がするだけだ。
ただ、芝居をやってみようと思ったとき、
「面倒だけど、おもしろい遊びがしたい」という気持ちだけは、
たしかな感覚として私のなかにあった。
仕事もそこそこ順調で、生活もそれなりにまともにできて、
満足とは言わないが、一応の納得がいく毎日を送っていると、
「ああ、これでいいのかなぁ」と微妙な違和感を覚えることがけっこうある。
それはきっと、多くの人が感じていることではないだろうか。
まともに生きていくことと、
そこに確かな手触りや充足感を得ることは、決して同じではないだろうし、
人生のどこかの瞬間で、うまく折り合いをつけたつもりでも、
そんなにうまく箱のなかに収まっていないものだって、少なからずあるはずだ。
そんなとき、ふと「面倒だけど、おもしろい遊び」がしたいというか、
してもいいんじゃないかという気持ちになるのだ。
この「面倒だけど・・・」という部分がなかなかのキーポイントで、
本当におもしろいものは、「めんどくささ」の少し先にあると私はいつも思っている。
携帯やパソコン、ゲームやテレビなど、手軽で楽しいものが私たちの周りにはあふれていて、
私もつい楽しくて、テレビをダラダラ観てしまうけれど、
そこで感じられるおもしろさは、なんだかちょっと物足りない。
「めんどくささ」とか「真剣さ」という大事なスパイスが欠けていて、
お馴染みの、どこにでもあるカレーのような味しかしないのだ。
芝居なんて、めんどくささの極致みたいなものだから、
いざ準備を始めてみると、面倒なことが次から次へと襲いかかってくるのだけれど、
そんなスパイスを一つずつゴリゴリとすり潰しているうちに、
おいしいカレーの匂いが(あるいは、その片鱗のようなものが)立ち上ってくるのだ。
私はもちろん、このブログを読んでくれている人たちも、
そして、その友人や知人、家族の人たちも「面倒だけど、おもしろい遊び」を始めたら、
これはなかなか刺激的な社会になるんじゃないかと思う。
本を読むでも、映画館で映画を観るでも、山に登るでも、マラソンを走るでも、
ケーキを焼くでも、陶芸をやってみるでも、なんでもいい。
「面倒だけど、おもしろい遊び」をする輪が広がって、
いろんなことにチャレンジする機会が増えればいいなぁ、とけっこう本気で思っている。
そして、もう少し真面目で、大きな話をすれば、
そういった「豊かさ」が日本人には必要なんじゃないかなぁとも、けっこう本気で思っている。
さあ、その手始めに10月の末に『コレド』で芝居を観ませんか。
なんだか、大いなる告知みたいになっちゃいましたが、
決してそんなつもりで書き始めたのではありません。
どうも、すみません・・・・・
こんにちは イイダテツヤです。
第69回『カシスウー論』は乃木坂にあるバー『コレド』編です。
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乃木坂というのは、東京のエアポケットのような場所である。
六本木と赤坂と青山一丁目のちょうど真ん中あたりにあって、
便利と言えばこんな便利な場所はないのに、乃木坂自体にははっきり言って何もない。
千代田線乃木坂駅の真上がちょうど乃木坂トンネルになっているため、
この地域そのものが奇妙な立体交差になっていて、
「ここが駅前でございます」という典型的な発展がしにくくなってしまったのだ。
まるで通過するためだけにつくられた、悲しく、せつない街なのだ。
言ってみれば、瀬戸大橋の橋脚だけが突き刺さっている、不幸な小島みたいなものだ。
でもまあ、立地は便利なんですよ。ものすごく。
そんな乃木坂トンネルの赤坂方面出口のすぐ脇にバー『コレド』はある。
一見さんがふらっと入りやすい店とは言いがたいが、
入ってみると、なかなか落ち着いた素敵なバーだ。
そして、このお店には、割と立派な劇場スペースが併設されていて、
演劇の公演や音楽ライブなどが頻繁に行われているらしい。
余談ながら、ここのオーナーは女優の桃井かおりのお兄さんで、
芝居とか、音楽なんかをやる人を応援するような思いで、店をやっているらしい。
(初めてこの店を訪れたとき、たしかそんなようなことを言っていた)
その流れで、あたかも宣伝みたいになって恐縮だが、
今年の10月に、私もこのスペースで芝居をやろうと思っている。
(というか、すでに決定している)
古い仲間や新しい人たちなど、いろいろな人に集まってもらって、
芝居というか、コントというか、とにかくちょっとした公演を予定しているのだ。
このブログでも前に少し触れた通り、私は以前芝居をしていたのだが、
それももう10年以上前になる。
そんな状況だから、
「今度、芝居をやろうと思っているんだ」と誰かに言うと、
「なんで、いまさら??」
「どういう風の吹き回し??」などと、驚き半分、呆れ半分みたいなリアクションをされる。
それは仕方がない。
だいたい自分でも「なぜ、いまさら芝居をやるのか?」という問いに、
明解な答えなど持っていないのだ。
なんとなく、そんな時期が来ているような気がするだけだ。
ただ、芝居をやってみようと思ったとき、
「面倒だけど、おもしろい遊びがしたい」という気持ちだけは、
たしかな感覚として私のなかにあった。
仕事もそこそこ順調で、生活もそれなりにまともにできて、
満足とは言わないが、一応の納得がいく毎日を送っていると、
「ああ、これでいいのかなぁ」と微妙な違和感を覚えることがけっこうある。
それはきっと、多くの人が感じていることではないだろうか。
まともに生きていくことと、
そこに確かな手触りや充足感を得ることは、決して同じではないだろうし、
人生のどこかの瞬間で、うまく折り合いをつけたつもりでも、
そんなにうまく箱のなかに収まっていないものだって、少なからずあるはずだ。
そんなとき、ふと「面倒だけど、おもしろい遊び」がしたいというか、
してもいいんじゃないかという気持ちになるのだ。
この「面倒だけど・・・」という部分がなかなかのキーポイントで、
本当におもしろいものは、「めんどくささ」の少し先にあると私はいつも思っている。
携帯やパソコン、ゲームやテレビなど、手軽で楽しいものが私たちの周りにはあふれていて、
私もつい楽しくて、テレビをダラダラ観てしまうけれど、
そこで感じられるおもしろさは、なんだかちょっと物足りない。
「めんどくささ」とか「真剣さ」という大事なスパイスが欠けていて、
お馴染みの、どこにでもあるカレーのような味しかしないのだ。
芝居なんて、めんどくささの極致みたいなものだから、
いざ準備を始めてみると、面倒なことが次から次へと襲いかかってくるのだけれど、
そんなスパイスを一つずつゴリゴリとすり潰しているうちに、
おいしいカレーの匂いが(あるいは、その片鱗のようなものが)立ち上ってくるのだ。
私はもちろん、このブログを読んでくれている人たちも、
そして、その友人や知人、家族の人たちも「面倒だけど、おもしろい遊び」を始めたら、
これはなかなか刺激的な社会になるんじゃないかと思う。
本を読むでも、映画館で映画を観るでも、山に登るでも、マラソンを走るでも、
ケーキを焼くでも、陶芸をやってみるでも、なんでもいい。
「面倒だけど、おもしろい遊び」をする輪が広がって、
いろんなことにチャレンジする機会が増えればいいなぁ、とけっこう本気で思っている。
そして、もう少し真面目で、大きな話をすれば、
そういった「豊かさ」が日本人には必要なんじゃないかなぁとも、けっこう本気で思っている。
さあ、その手始めに10月の末に『コレド』で芝居を観ませんか。
なんだか、大いなる告知みたいになっちゃいましたが、
決してそんなつもりで書き始めたのではありません。
どうも、すみません・・・・・
