時を超えるおっさんイズム/北條円太郎【この世界の片隅に】 | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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いやー、去年はアニメ映画が豊作でしたね。
夏に公開されたのにコートを着込む時期になっても公開されていた「君の名は」や
応援上映というスタイルを世に知らしめた「キンプリ」など話題は目白押しでしたが
中でも年末に突如放り込まれた「この世界の片隅に」のヒットもめざましいものでした。

「この世界の片隅に」は、こうの史代による同名の漫画をアニメ映画にしたもので
あの最強おっさんボックスを生み出した片渕須直氏が監督を務めました。
とはいえ、原作の長さからアニメ版はどうしてもカットされてしまう場面も多かったため
今回はアニメ版ではなく原作をメインにお話ししようと思います。

今回取り上げる北條円太郎ですが、円太郎って名前だけで「あの人か」とわかる人は
ほとんどいないでしょうし、いるなら私以上のおっさんチェッカーなので
無理してこんなブログ読まんと自分のおっさんブログを立ち上げてくれ。
そしてアドレスを教えてくれ。


円太郎は主人公すずの義父にあたる人で、すずの夫・周作の父親です。
周作は結構硬いというか、まだ青臭さが抜けない青年って感じで描かれてるんですが
円太郎は良いねぇ…良い柔らかさです。ジョゼフ・ジョースターを思い出しますね。
その場合周作は承太郎なんだけど、ちょっとでかすぎる十字架な気もするな。。

とりあえず円太郎は、登場場面も少ないし劇中でけっこう負傷したりもするんですが
脇役なのにかなり良い味を出しています。それはもうおっさんの良さそのもの。
ルックスはメガネにボサ髪で職業は技師という理系人間。
目は大体いつも笑ってて、すぐ人が聞いてないようなうんちくを語り出すあたり
とっても良い。とっても良いですね。ああ父になってくれ円太郎。

どうしても我々は(と大きく出ましたが私は)戦時中漫画の父親キャラというと
「はだしのゲン」で非国民と罵られようと息子に麦になれと厳しく世の矛盾を問い
竹槍訓練に泥酔して放屁しながら来るという天パ熱血お目目の大吉さんを回想しますが
円太郎お父さんを見ると「ああそうだよね…色んな人がいるよね…」と思わされます。


円太郎は、戦時中の一国民として、日々戦火の被害をうけつつも
純粋に日本軍の強さや戦艦の素晴らしさに魅了され、それを訥々と語る人なのです。
それはゲンの父親よりも強い意志はなく、ただ生きようとしているだけかもしれませんが
今でも「近くにいそう」という感じは限りなくあります。
多分こういう人、多かったんだろうなぁとも思います。

他でもよく言われていますが「この世界の片隅に」のベースは日常萌え系漫画で
萌え系というのは基本的にキャラクターそのものが大事になってきます。
そしてキャラクターというのは人間の少しのデフォルメが元となっていますので
この作品に出てくる人たちは皆、親しみやすくて「いそう」だし「いてほしい」のです。
円太郎だけじゃなくてすずさんの実の父もけっこう萌えキャラですからねこれね。
そこまで話すと長くなるので今回はやりません。


結論として何が言いたいかというと、「この世界の片隅に」は原作必読だってことです。
今回泣く泣くカットされてるあれやこれのエピソード、けっこうでかいあのエピソードとか
円太郎がマジで可愛いところとか、全部詰まってますからね。
萌えの幕の内弁当だよ。読まなきゃ損ですよ。よろしくお願いします。

さて、二次元は控えたいと言いながらも二次元おっさんを語ってしまった今回ですが
次回はどうしよう。さすがに芸能人とか行きたいよね。
どうぞお楽しみに。