本日はシン・ゴジラから一名。俳優の光石研さんです。
偶然にも昨日のマシュー・ブロデリックと同い年ですね。
光石研?誰だろう・・・ゴジラの何に出てたっけ・・・という皆さん。彼は東京都知事役ですよ。
「防災マニュアルなんて役に立った試しが無いじゃないか」と言う人です。
どうでしょうか。覚えてますか?
よくわからない・・・いたかも知れないけど覚えてない・・・というそこのあなた。
是非「光石研(みついしけん)」で画像検索してみて下さい。
すごいですよ。これ以上はないんじゃないかってくらい普通のおっさんが出て来ます。
そう。光石研の何よりの魅力はその「フリー素材かと思うくらいの一般人感」なのです。
もちろんどんな人間でも固有の人生が1人1人には存在する訳で、
「フリー素材の人間」に代表される無個性人材はこの世に存在しないのは誰もが知るところ。
しかし、その固有の人生を見える限り削ぎ落とし
村上春樹の主人公みたいになってる人類、もといおっさんが光石研なのです。
このタイプのおっさんは他にも「小日向文世」「段田安則」とかがいるのですが
彼らは演じ方に何かしらの個性が出ますし、その「良い人」感が逆に悪役に向いてたりします。
一方、光石研が私たちに与える印象は「無」です。
良い人かと言われたらそんな気もするし、悪い人かと言われたらそうなのかな・・・とも疑える
あまりにも本質が見えない、それが光石研の恐ろしさであり魅力です。
小日向文世や吹越満といった私のお気に入り名脇役おっさんは、基本プライベートが謎です。
そして光石研も、ブレイク前に一般女性と結婚しているので私生活は謎の中。
あれだけの映画(150本以上)に出ていながら、我々は光石研の「私」を知る事はないのです。
唯一存在する私生活らしき情報が「インテリアに凝りまくってて自宅が超オシャレ」ですが
生活感のパンドラの箱である自宅がオシャレって、もう浮き世離れすぎだろ・・・
「今着ているものが昔は全部古着だったってだけで、同じ格好をしている」って台詞とか
やっぱりこの辺りにも果てしなく実在性高そうで存在しない村上春樹の主人公を思わせます。
人生にはたまに、「この人生まれてからずっとおっさんなのでは?」って人がいますが
その代表格であり、「市井のおっさん」のイデアとも言えるのが光石研かもしれません。
そうでなければ150本以上も様々なおっさんとして変化し続けられるはずがない。
私たちがおっさんという概念を考える上で避けられない哲学的存在として
今後も光石研にはその謎さを守り続けて欲しいものです。
今回は「サイレーンの渡さんを演った光石研がもう本当にダメダメ可愛くて最高だった」
という話をしたかったのに、気づいたらおっさん哲学になってしまいました。
皆さん、奈々緒というもう一つの実在する非実在美女に翻弄される光石研、是非見て下さい。
次回はもっと軽い話にしようと思います。
どうぞお楽しみに。