今日の一曲 山の吊橋 | 歌謡曲と叙情歌を語る

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今日は春日八郎さんの「山の吊橋」。昭和34年に作られました。マンボのリズムに乗せ、日本の自然と山奥にある吊橋を渡る人の様子を描いた歌です。春日八郎さんの曲は、日本の自然の風景を歌った曲が多いのですが、この曲を聴いていると、山奥にある吊橋が浮かんできます。

 

 

歌に出てくるのは猟師(鉄砲うち)のおじさん、村の娘さん、酔っ払いのおじさんの三人。

 

一番に出てくる、倅を亡くした猟師ですが、おそらく戦争で息子さんを亡くしたのでしょうね。何しろ、この曲が作られたのは昭和34年。戦争の記憶がまだ残っていた時代。息子さんを亡くした悲しみを埋めるように、犬をいつも連れているのかなって。

 

春日さんは朗らかにこの曲をお歌いになっておりますが、歌詞をよくよく噛み締めると切ないですね。

 

そして、おじさんは熊を仕留めたのでしょうね。熊といえば、近年、山里を離れ、街に出没しては、人間を襲うようになったと言いますね。怖いですね・・元々熊は臆病な動物で、人間を怖がって避けると言われておりますが、最近の熊は人間を恐れないのかな・・

 

二番の娘さんのお話ですが、都会にでた恋人を偲んで、涙を流していると。昭和30年代といえば、高度成長期。地方の若者が、どんどん都会に行った時代。都会に出ていく若者がいく一方で、田舎に残った若者がいる。そんな対比がこの歌にも描かれています。

 

三番は酒を買いに行く炭焼きのおじさん。昭和30年代では、まだコンビニもなければ、車もそんなに普及していない時代だろうから、街まで歩いて降りてきて、お酒を買いに行ったのでしょうね。そうしたら、夜遅くなったという話でしょうか。それが現代では、コンビニどころか、ネット通販で物を簡単に買える時代。いい悪いは別にして現代は便利な時代になりましたね。