「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

粗利高に占める人件費の割合を「労働分配率」といいます。

労働分配率とは、人件費が粗利の中でどの程度を占めているかを示す指標であり、飲食店経営において非常に重要な管理数値です。

一般的には35〜40%程度が適正水準とされています。

例えば、売上800万円、原価率40%の店舗を例に考えてみましょう。

まず、粗利を計算します。

売上800万円 ×(100%-原価率40%)= 粗利480万円

となります。

ここで、労働分配率を35%に設定すると、

粗利480万円 × 35%=人件費168万円

が、1か月に使用できる人件費予算となります。

この場合の人件費率は**21%**です。

さらに、平均時給を1,400円とすると、

168万円 ÷ 1,400円=1,200時間

となり、1か月に使用できる総労働時間が算出できます。

そして、この店舗で求められる人時売上は、

売上800万円 ÷ 1,200時間=6,667円

となります。

つまり、この店舗では人時売上6,667円以上を維持できる運営体制を構築することが重要なKPIになります。

ここで勘違いしてはいけないのは、労働分配率の管理は人件費を削ることが目的ではないということです。

原価率が高い業態ほど粗利額は少なくなるため、同じ人件費でも利益は残りにくくなります。

だからこそ、

・セルフオーダーの導入
・仕込み作業の効率化
・作業手順の標準化
・多能工化による柔軟な人員配置

など、生産性を高める仕組みづくりが欠かせません。

人件費を無理に削れば、一時的に利益は改善するかもしれません。

しかし、その結果としてQSCが低下し、お客様満足度やスタッフの働きやすさが損なわれてしまえば、本末転倒です。

労働分配率の管理とは、粗利に対して適正な労働時間を設計し、人時売上を高めながら、お客様満足と利益を両立させることにあります。

売上・粗利・労働分配率・人時売上。

この4つをセットで管理することで、感覚ではなく数字に基づいた経営が可能になります。

利益が残る強い飲食店は、この指標を日々のマネジメントに落とし込み、生産性と品質の両立を実現しているのです。