飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。

人時売上は、飲食店経営において非常に重要な指標です。

ただし、「人時売上だけを見れば良い」というものではありません。

人時売上とは、1時間あたり1人のスタッフがいくらの売上を生み出したかを表す数値です。

例えば、

売上60万円
総労働時間100時間

の場合、

人時売上は6,000円になります。

人件費率が高い店舗の多くは、「人が多い」のではなく、「売上に対して労働時間が多い」状態になっています。

そのため、人時売上を見ることで、生産性を客観的に把握することができます。

また、人時売上はシフト作成や人件費予算管理の基準にもなります。

例えば、平均時給1,500円で人件費率25%を目標とする場合、

1,500円 ÷ 25% = 6,000円

となり、人時売上6,000円が最低基準になります。

つまり、1人が1時間あたり6,000円以上の売上を作れていれば、理論上は人件費率25%以内に収まる計算です。

しかし、人時売上だけを追いかけると危険です。

人時売上を上げようとして人員を削りすぎると、

・提供時間が遅くなる
・接客品質が落ちる
・清掃レベルが下がる
・スタッフが疲弊する

といった問題が発生します。

結果としてQSCが崩れ、お客様満足度が低下し、長期的には売上そのものが下がってしまいます。

だからこそ、人時売上は「結果指標」として捉えることが重要です。

本当に見るべきなのは、

・客数
・客単価
・QSC
・オペレーション効率
・スタッフの戦力レベル

です。

人時売上が低い原因も、

・暇な時間帯の人員過多なのか
・客数不足なのか
・客単価不足なのか
・オペレーションが非効率なのか
・教育不足なのか

によって対策は全く変わります。

数字だけを見ても答えは出ません。

数字の裏側にある原因を分析することが重要です。

結論として、人時売上は必ず見るべき指標です。

しかし、人時売上を上げること自体が目的ではありません。

「適正な人員配置で、高いQSCを維持できているか」

を確認するための健康診断の数値として活用することが正しい考え方です。

人時売上は経営者や店長の成績表ではありません。

店舗運営の生産性を映し出す鏡です。

その数字を見て原因を考え、改善につなげることこそが、人時売上を活用する本当の目的なのです。