飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。

10店舗規模までの飲食店において、どれだけ忙しくても経営者やマネージャーの臨店は欠かせません。理想は毎週。時間は長くなくても構いません。ピークタイムに10分だけでも十分に意味があります。

10分あれば店内を一周し、客席、キッチン、冷蔵庫内、サービス状態、更衣室に至るまで、一通りの確認は可能です。重要なのは時間の長さではなく、「どのタイミングで見るか」です。

本当に見るべきは、準備された状態ではなく「真実の瞬間」です。お客様が実際に来店しているピークタイムこそ、オペレーションやサービスの本来の姿が現れます。忙しさの中でどれだけ基準が守られているか。その現実を直視することが重要です。

臨店で求められるのは、単なるチェックではありません。基準とのズレや違和感を見抜く力です。そのためには、臨店する側が自社のQSC基準を完全に理解し、体得していることが前提になります。基準が曖昧であれば、ズレにも気づくことはできません。

店舗のスタンダードレベルは、マネージャーの基準の高さに比例します。見る側の基準が低ければ、現場の基準も自然と下がっていきます。逆に、明確で高い基準を持って臨店すれば、その基準が現場に浸透していきます。

このズレを修正し、基準に戻していく活動がQC、すなわちクオリティーコントロールです。大きな改善ではなく、小さなズレをその場で正すこと。その積み重ねが、店舗の品質を維持し続ける力になります。

さらに見落とせないのが、臨店による接触効果です。週に一度でも顔を合わせ、会話をすることで、店長やスタッフとの心理的距離は縮まります。いわゆるザイアンス効果が働き、信頼関係の構築にもつながります。

10分という短い時間でも、継続すれば大きな差になります。QCによる基準の維持と、人との接触による関係性の強化。この二つを同時に実現できるのが、定期的な臨店です。

忙しいから行けないのではなく、忙しいからこそ行く。週10分の積み重ねが、店舗の質と組織の強さを支えていくのです。