飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。

QSCを高めることでリピーターが増えるという考え方は正しいです。しかし、それだけでは十分とは言えません。どれほど良い料理やサービスを提供しても、人の記憶は時間とともに薄れていきます。

とても満足したお店の体験であっても、1〜2ヶ月そのお店と接触がなければ、お客様の頭の中で存在感は徐々に小さくなっていきます。「また来るよ」と言ってくれたお客様が来店しない理由も、商品やサービスが悪かったわけではなく、その後に接触する機会がなかっただけというケースは少なくありません。

飲食店経営で本当に重要なのは、新規集客で終わらせないことです。来店してくれたお客様と、その後どのように関係を維持し、接触頻度を保つか。この設計ができているかどうかで、リピート率は大きく変わります。

ここで必要になるのがCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)です。CRMとは、来店してくれたお客様の情報を蓄積し、適切なタイミングで継続的にコミュニケーションを取りながら関係性を深めていく仕組みのことです。

具体的には、メルマガや公式LINEを活用し、新商品情報や季節メニュー、キャンペーン、イベント情報、日常の店舗の様子などを定期的に届けていきます。こうした接触を繰り返すことで、お客様の中でお店の存在を思い出す機会が生まれ、「そろそろ行こうかな」という来店動機につながっていきます。

つまり、リピートを生み出すのはQSCだけではありません。QSCは来店時の満足を生み出す力であり、CRMは来店後の関係性を維持する力です。この二つは役割が異なります。

どれだけQSCが高くても、接触がなければ忘れられます。逆に接触だけを増やしても、QSCが低ければ再来店にはつながりません。

重要なのは、この二つをセットで設計することです。QSCで満足を生み、その後のCRMで接触を継続し、記憶の中にお店を残し続ける。この流れができて初めて、安定したリピートと売上が生まれます。

売上は偶然ではなく設計でつくられます。来店だけで終わらせない。その後の関係性まで設計することが、これからの飲食店経営には欠かせない視点なのです。