飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。
FC事業は、売上が落ち始めると必ず本部に対する不満が表面化します。ロイヤリティに見合うSVの指導が行われているのか、本部に計上する広告費に対して十分な集客成果が出ているのか。こうした疑問が一部のオーナーから上がり始め、やがて撤退の相談へとつながっていきます。
撤退の申し出が出た際、本部はまず慰留に入ります。しかし同時に、FCの中でも売上が出ているオーナーに対してM&Aの打診が始まり、ロイヤリティの減額や本部による業務委託などを通じて、店舗数の維持を優先する動きが生まれます。一見すると合理的な対応に見えますが、この判断が長期的にはFCモデルの崩壊を招くきっかけになります。
例えば、不慣れな名義変更による手続き漏れから税務上の問題が発生したり、本部が現場運営を引き受けることでSVが立て直し要員として現場に張り付き、本来行うべき臨店指導の質が低下するケースも少なくありません。結果として、他の加盟店への支援が手薄になり、さらに不満が広がるという悪循環に陥ります。
ここで改めて整理すべきなのは、本部の役割です。本部の役割は店舗数を維持することではありません。本来は、加盟店が安定して利益を出し続けられる仕組みを構築し、再現性のある成功モデルを磨き続けることです。
また、SVの役割も誤解されがちです。SVはオーナーの代わりに店舗を運営する存在ではありません。オーナーや店長が自ら成果を出せるように、指導と仕組みを提供することが本来の役割です。現場の穴埋めに入ることが常態化した時点で、その役割は崩れています。
FCビジネスの本質は「数」ではありません。重要なのは「再現性」です。どの店舗でも同じ水準の成果が出せるモデルがあるかどうかが、FCとしての価値を決めます。
本部が現場運営に追われ、目の前の店舗数維持に意識が向き始めたとき、FCモデルは静かに崩れ始めています。だからこそ、本部は常に原点に立ち返る必要があります。成功モデルの磨き込みと、加盟店支援の質の向上に集中することです。
FCビジネスは短期的な数字ではなく、長期的な信頼で成り立つ事業です。再現性ある成功を積み重ね続けること。それこそが、FC事業を持続させる唯一の道なのです。
