飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。
社長の言葉や伝えたい情報は、どのような経路で現場に届いていくのか。この流れを常にイメージすることは、組織を運営するうえでとても大切です。誰に何を話せば、その言葉がどのように広がり、どのような形でスタッフに届くのか。組織の中では、言葉は必ず人を通して伝わっていきます。
例えば、社長が臨店の際にスタッフの良い行動に気づき、「〇〇さん、いい動きしていたね」と店長にそっと伝えたとします。その言葉は店長を通して本人に届き、「社長が褒めていたよ」と間接的に伝わります。直接その場で褒められるのももちろん嬉しいものですが、間接的に伝わる言葉にはまた違った力があります。ちゃんと見てもらえていたこと、評価されていたことを後から知ることで、その人の自信や誇りにつながることがあります。
こうした言葉の伝わり方は、ポジティブな言葉だけではありません。批判や陰口も同じように広がります。誰かに向けたネガティブな言葉は、たとえその場に本人がいなくても、いずれ巡り巡って本人の耳に入るものです。そして、その言葉は組織の空気を静かに悪くしていきます。
だからこそ、言葉は「広がるもの」という前提で使うことが大切です。どんな言葉も、その場だけで終わるとは限りません。誰かを通じて伝わり、形を変えながら組織の中を巡っていきます。
そこで意識したいのが、陰口ではなく「日向口(ひなたぐち)」という考え方です。陰口とは、本人のいないところで否定的な言葉を言うことです。一方で日向口とは、本人がいない場所でも、その人を前向きに評価する言葉を使うことです。
誰かの良い行動を見つけたら、それを周りに伝える。努力している姿を評価する。小さな成長を言葉にする。こうした言葉は人から人へ伝わり、やがて組織の中にポジティブな空気をつくっていきます。
社長の言葉は、想像以上に遠くまで届きます。そしてその言葉は、単なる情報ではなく、組織の文化そのものを形づくる力を持っています。
人を前向きにする言葉を選ぶのか、それとも人を萎縮させる言葉を使うのか。その違いが、時間をかけて組織の空気を変えていきます。
経営とは、言葉のマネジメントでもあります。社長の一言が組織を動かし、その積み重ねが会社の文化をつくっていくのです。
