飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。

近年、飲食店の採用において求人広告の費用対効果の悪化が深刻になっています。多くの飲食店では求人広告代理店を利用していますが、その中でさまざまな追加提案が行われることが増えています。

例えば、原稿のライティング費用、写真撮影や動画制作、原稿のA/Bテスト、応募対応代行などです。さらに代理店は月額5万〜8万円程度の運用費用が発生するケースが多く、加えて媒体広告費の数%が手数料として入る仕組みになっています。

Indeedなどの場合、広告費の約17%が代理店の手数料になることもあります。こうした仕組みの中では、広告費が増えるほど代理店の売上も増えるため、社員採用率が必ずしも高くない媒体であっても提案されやすいという側面があります。

採用に結果が出ない場合、代理店は親身に相談に乗ってくれます。そして、広告費の増額、原稿変更、写真や動画の制作など、新たな施策を提案してくることが一般的です。

しかしここで理解しておかなければならないのは、代理店のビジネスモデルです。代理店はクライアントがどれだけ採用できて喜んだかではなく、売上によって評価されます。そのため構造的に、時には無意識のうちに広告費を増やす方向へ動きやすい側面があります。

もちろん、すべての代理店が悪いわけではありません。優秀な担当者も多く存在します。ただし、採用という企業にとって極めて重要な活動を、完全に外部任せにしてしまうことは危険です。

飲食店側がまず行うべきことは、自社が求める人物像を明確にすることです。どんな価値観の人が合うのか、どんな働き方を求めるのか、どんな成長機会があるのか。これらを整理しなければ、どれだけ広告費をかけても採用は成功しません。

次に重要なのは、原稿内容を自分たちで考えることです。会社の魅力や理念、職場の空気感は、現場で働いている人にしかわからない部分があります。そこを言葉にすることが、採用力の差になります。

さらに、広告運用についても理解しながら関与することが必要です。どの媒体を使うのか、どの地域に出すのか、どの職種を優先するのか。これらは代理店任せではなく、自社の意思で決めるべき経営判断です。

採用の結果を外部要因にしてしまうと、いつまで経っても採用力は身につきません。採用を「代理店の仕事」と考えるのではなく、「自社の経営活動」として捉えることが重要です。

採用力は企業の競争力です。人が集まる会社には、必ず理由があります。その理由を自分たちで作ることが、これからの飲食店経営には欠かせません。