飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。

東日本大震災から15年が経ちました。あの日をきっかけに、多くの人が「備える」ということを真剣に考えるようになりました。日常の中では忘れがちな災害への備えですが、震災の記憶が社会に残した大きな教訓の一つが、防災を日常の中に組み込むという考え方です。

その中で広く知られるようになった方法が「ローリングストック」です。ローリングストックとは、災害時のために特別な備蓄をするというより、普段使う食品や日用品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限の古いものから順番に消費し、使った分を買い足していくことで、常に一定量の備蓄を保つ方法です。

非常食を特別に保管するのではなく、日常の生活の中で自然に備蓄を維持する仕組みです。普段食べているものを備えるため、いざという時にも違和感なく使えるという利点があります。家庭だけでなく、会社や店舗でも取り入れやすい方法です。

しかし、この方法はとても合理的である一方で、実際に継続するのは意外と難しいものです。忙しい日々の中で買い足しを忘れてしまったり、いつの間にか在庫が減っていたりすることもあります。気づいたときには備蓄がほとんど残っていないということも起こり得ます。

つまりローリングストックは、知識として理解するだけでは機能しません。習慣として生活の中に組み込み、仕組みとして管理することが重要になります。チェックのタイミングを決める、在庫量を決める、定期的に補充する。このような仕組みを作ることで初めて機能する考え方です。

これは飲食店の経営にも通じる話です。安全管理や防災対策は、一度準備して終わりではありません。日常の中に組み込み、当たり前の行動として維持することが大切です。設備点検、避難経路の確認、非常用品の管理。こうした取り組みは、地味ですが確実に店舗と人を守ります。

家庭でも、会社でも、日常の中で当たり前に備える仕組みを作ること。それが、いざという時に自分や大切な人を守る力になります。災害は忘れた頃にやってきます。だからこそ、思い出したときに見直すことが重要です。

昨夜、NHKの「こころフォト 震災15年目の手紙」という番組を見ました。行方不明となった家族を今も探し続け、帰りを待ち続ける人たちの姿が映し出されていました。時間がどれだけ経っても、大切な人を想う気持ちは消えることはありません。

静かに胸に響く番組でした。15年という節目の今だからこそ、あの日を忘れず、もう一度「備え」という言葉の意味を考えてみたいと思います。