飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。
飲食店の出店においてよく聞く言葉があります。それが「集客はオペレーションが固まってから行うべき」という考え方です。確かにこの方法は、資金力が十分にあり、長期間の赤字に耐えられる企業であれば有効です。オペレーションを丁寧に整え、品質を安定させてから集客を強化する。理想的な流れと言えるでしょう。
しかし、3店舗目・4店舗目の出店フェーズにある企業にとっては、この考え方が必ずしも最適とは限りません。むしろ、初日から行列を作るくらいの強い販促を行うことをおすすめします。特に初出店の場合は、勢いを作ることが極めて重要になります。
従来型の飲食店の立ち上げは、まずQSCを整えながら徐々に常連客を増やしていくというスタイルが一般的でした。少しずつお客様を増やしながらお店を育てていく方法です。しかし、ここで忘れてはいけないのが、立ち上げとは収益化を意味するということです。
売上が立ち上がる前に固定費は容赦なく発生します。家賃、人件費、光熱費、仕入れ。売上が少ない状態が続くと、資金は一気に減っていきます。結果として、人件費を削減せざるを得なくなり、せっかく採用し教育したスタッフをコントロール対象として減らすことになります。気がつけば半年ほどでスタッフがほぼ入れ替わってしまうというケースも珍しくありません。
この状態では、オペレーションが固まるどころか、現場は常に人手不足となり、教育も進まず、サービスの質も安定しません。ゆっくり立ち上げるつもりが、結果として負のスパイラルに入ってしまうのです。
一方で、3〜4店舗規模の企業であれば、オーナーや幹部が総出で現場に入り、営業に参加することができます。多少オペレーションが荒くても、経営陣が現場でカバーすることができます。オペレーションは営業をしながら日々改善していけば良いのです。
そして何より、売上がしっかり立つことで現場に活気が生まれます。お客様が多い店は、それだけでエネルギーがあります。忙しい環境の中でスタッフは成長し、改善点も次々と見えてきます。売上があるからこそ、教育にも時間と資金を使うことができます。
ゆっくりとしたオープンでは、活気も生まれず、改善点の発見や成長のスピードも遅くなります。店舗は「動いているとき」に最も学びが生まれる場所です。だからこそ最初からお客様が集まる環境を作ることが、結果としてオペレーションの進化を加速させます。
3店舗目・4店舗目の出店は、経営にとって大きな分岐点です。このタイミングでは「様子を見る出店」ではなく、「最初から繁盛店を作る」という意識が重要になります。
強い販促で勢いのあるスタートを切る。そのエネルギーが店舗を成長させ、会社全体を次のステージへと押し上げていくのです。
