飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。
採用活動において欠かせない視点があります。顧客満足(CS)を高めるには、従業員満足(ES)を高めることが重要であるという考え方は、今では常識になりました。働く人が満たされていなければ、良いサービスは生まれません。
飲食店で働く従業員さんは、それぞれの目標や夢のために朝から、時には深夜まで働いています。スキルを磨きたい人、将来独立を目指す人、家族を支えるために収入を得たい人。背景はさまざまです。
近年は労働環境の改善も進み、いわゆるブラック企業と呼ばれる会社は減ってきました。それでも、新規店舗のオープン前後や人員不足のタイミングでは、休みが取れなかったり、体調を崩してしまうケースを目にすることは少なくありません。飲食業は体力勝負の側面があり、繁忙期はどうしても負荷が集中します。
従業員満足を高めることはもちろん重要です。しかし、実はそれ以上に見落とされがちな満足度があります。
それが、家族満足=Family Satisfaction=FSです。
従業員さんには既婚・独身に関わらず、ご家族がいます。両親、配偶者、パートナー、子ども。毎日遅くまで働き、時には休みなく勤務する姿を、誰よりも心配している存在です。本人が「大丈夫です」と言っていても、家族は不安を抱えていることがあります。
収入が上がることは当然大切です。しかし何より大切なのは、病気や怪我をしないこと、心身ともに健康であることです。飲食店はまだまだ環境整備の余地が大きい業界です。だからこそ、従業員本人だけでなく、そのご家族への視点を持つことが求められます。
家族の理解や支援がなければ、この仕事は長く続きません。どれだけやりがいがあっても、家庭が不安定になれば離職につながります。つまりFSは、採用力と定着率に直結する重要な要素です。
例えば、奥様の誕生日、母の日、お子様の誕生日や参観日など、家族に関わるイベントを上司や会社が把握しているだけでも印象は変わります。「その日は早く帰っていいよ」と言える文化があるかどうか。小さな気遣いが、家族の安心につながります。
会社が顧客の信頼によって成長するように、従業員のご家族からの信頼も、これからの時代には欠かせません。あの会社なら安心して任せられる。無理をさせすぎない。成長を支えてくれる。そう思ってもらえる会社は、結果として人が集まり、人が辞めません。
採用とは、本人を口説くことではなく、その背後にいる家族からも信頼を得ることです。CS、ES、そしてFS。この三つが揃って初めて、持続可能な飲食店経営が実現します。
