飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる
NEXT5コンサルティングの雑賀です。

問題とは何か。私はよく「あるべき姿と現実のギャップのこと」だとお伝えしています。あるべき姿が明確でなければ、そもそも問題は定義できません。なんとなくうまくいっていない、なんとなく調子が悪い、という状態では、永遠に解決には辿り着きません。

QSCも数字も同じです。基準やルールがあるからこそ、そこからズレたときに「問題」として認識でき、具体的な改善策が生まれます。基準がない状態では、ズレているのかどうかすら判断できません。

例えば原価が35%だったとします。この数字だけを見ても良いのか悪いのかは分かりません。しかし理論原価が33%であれば、2%のロスが発生していることになります。ここで初めて「問題」が明確になります。問題は35%という事実ではなく、「理論とのギャップ」です。

商品に不具合があったときも同様です。「今日はなんとなく味が違う」では改善できません。レシピやマニュアル手順というあるべき姿と照らし合わせて、どの工程がズレたのかを特定する。ここまで落とし込めて初めて、問題は解決に向かいます。

問題を正しく認識するために、ルールやマニュアルが必要になります。

ルールやマニュアルは、誰かの思いつきではありません。過去の失敗や経験の積み重ねから生まれています。食材の管理基準、発注ルール、清掃の頻度、報告の方法。どれも一度は何かが起きたからこそ作られています。つまりルールとは「再発防止の知恵の結晶」です。

だから守らなければ、必ずまた同じ失敗が起きます。そして再び問題化します。ルールを軽視するということは、過去の失敗をもう一度やり直すことと同じです。

ルールはお店を正常運転するための部品です。車が何万点もの部品で動くように、店舗も多くのルールが噛み合うことで安定して動きます。エンジンだけでは走れません。ブレーキ、ハンドル、タイヤ、すべてが揃って初めて安全にスピードを出せます。ルールを守るからこそ、店舗も安定し、成長のスピードも上がります。

逆にルールがないとどうなるか。過去の経験からそれぞれが「自分のルール」を持ち出します。店長の正解、ベテランの正解、新人の正解。それがぶつかり合い、感情だけが残ります。議論はしているのに、問題は解決しない。これは基準がないことが原因です。

ルールがあれば、何が問題なのかを理性的に判断できます。「誰が悪いか」ではなく、「どこが基準からズレたか」に焦点を当てられます。感情ではなく構造で解決できる状態になります。

ルールの重要性を理解できれば、次に見えてくるのは「ルールがないこと自体が問題」だという事実です。決め事がない、基準がない、評価軸がない。この状態こそが、最大のギャップです。

問題解決力とは、あるべき姿を明確にする力です。そしてそのあるべき姿を形にしたものが、ルールとマニュアルです。強い飲食店は、問題が少ないのではありません。問題を正しく定義できる基準を持っているのです。