「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

オープンから数年が経過し、思うように業績が伸びていない飲食店で「うちはSNSが弱いからです」と聞くことがあります。確かに発信力は重要です。しかし、本質的な課題はそこではありません。

問題は、これまでの営業の中でお客様を十分にリピーター化できていないことにあります。

リピートが生まれていないということは、商品力やサービス力、つまりQSCが強く支持されていない可能性が高いということです。料理が期待を超えていない。接客が記憶に残っていない。清潔やスピードが当たり前の水準に達していない。どこかに小さな違和感が積み重なり、「もう一度行こう」という理由を作れていない状態です。

SNSを強化すれば一時的に新規来店は増え、売上も伸びるかもしれません。一時的に、2〜3年は持つこともあります。しかし同時にQSCを高めなければ、その新規客は再来店せず、売上は再び落ち込みます。新規集客だけに依存する経営は、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるのと同じです。水は入るが、溜まらない。

まず磨くべきは、来店したお客様がもう一度来たくなる理由です。

一方で、オープン直後にSNSで新規集客に成功した店舗も油断はできません。最初は話題性で人が来ます。しかし、その成功体験が続くとは限りません。満足度をアンケートなどで数値化し、顧客の声に向き合いながら改善を重ね、顧客リストを構築し、再来店の設計まで落とし込むことが必要です。

この取り組みができていないまま、新規集客で得た資金を短期間で新規店舗へ投入するのは危険です。なぜなら、新店舗は「リピーターが繰り返し生まれる業態の強さ」から拡大すべきものだからです。一店舗目で再現性が作れていない状態で二店舗目を出せば、課題が倍になります。

SNSはあくまで拡散装置です。価値そのものを生み出すのは、現場の品質とサービスです。発信力が強くても、体験が弱ければ継続はしません。逆に、体験が強ければ、発信は後からついてきます。

業績を安定的に向上させたいのであれば、発信力よりも先に再来店率を高める設計に力を注ぐことです。QSCを徹底し、リピートが自然に積み上がる構造を作る。その上でSNSを使えば、売上は一過性ではなく、持続的に伸びていきます。

伸びない原因を外に求めるのではなく、まずは店内を磨くこと。そこからすべては始まります。