「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
戦力分析表に設定する項目は、「何を評価するか」という発想で作ってはいけません。設計の出発点は、「何を実現すればQSCが向上し、経営理念の実現に近づくか」という視点です。評価のための評価ではなく、理念達成のための評価。この順番を間違えると、制度は一瞬で形骸化します。
例えば、品質が上がる行動とは何か。サービスが磨かれる行動とは何か。清潔が維持される仕組みとは何か。その一つひとつが、最終的にお客様満足とブランド価値に直結しているかどうかが基準になります。QSCに紐づかない項目は、いくら細かく作っても意味がありません。
そして最も重要なのが、◯×の判定基準です。
「誰が評価してもぶれない内容になっているか」。ここが曖昧だと、評価制度は感覚に戻ります。上司によって基準が違う、声の大きい人が得をする、印象で判断される。これでは、組織は疲弊します。
例えば、
・声が大きい → ×
・3メートル先のお客様にも聞こえる発声で、語尾まで明瞭 → ◯
このように、感覚ではなく事実で判断できる基準に落とし込むことが必要です。動作、回数、時間、距離、頻度など、具体的な数値や状態に分解できるかどうかが鍵になります。評価は「雰囲気」ではなく「事実」で行うものです。
さらに、よくある誤解が「できる」と「やれる」の違いです。自分が一度うまくできたから◯。ピークで一回回せたから◯。これは本当の意味での「できる」ではありません。
本当の「できる」とは、自分が安定して実践できることに加え、それを他者に教え、そのスタッフが再現できる状態をつくれて初めて◯になります。再現性があり、組織に広がる状態になってこそ「できた」と言えるのです。
個人のスキルで終わるのか。
組織の力に昇華できるのか。
ここが、戦力分析表の分岐点です。
戦力分析表は、個人評価のためのツールではありません。組織力を高めるための設計図です。QSCを高め、理念を実現するための具体的な行動基準を、ぶれない◯×で明確にする。その基準が積み上がったとき、現場は属人化から脱却し、再現性のある強い組織へと変わります。
評価制度は、作った瞬間が完成ではありません。理念とQSCに直結する行動を定義し、誰が見ても同じ判断ができる状態まで磨き込むこと。そこに、戦力分析表の本質があります。
