「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
アルバイトの戦力化を進める上で欠かせないのが、毎月の店舗ミーティングです。ここで勘違いされやすいのが、ミーティングの目的は「参加させること」ではなく、「当事者化させること」だという点です。アルバイトを集めて話をしただけで、戦力化が進むことはありません。
店長が正しいことを一方的に話す場になると、アルバイトは聞くだけの受け身になります。発言も行動も止まり、結局ミーティングは「店長の独演会」になります。ミーティングは、現場の空気を変え、行動を変えるための仕組みです。そのためには、アルバイトが「自分たちが店を作っている」と感じる設計が必要になります。
時間は短く。長くても1時間までです。集中力が切れた瞬間に、会議はただの拘束になります。さらに重要なのが、1回で詰め込まないことです。必ず1テーマに絞りましょう。テーマが増えれば増えるほど、どれも中途半端になり、結果として何も変わりません。
テーマは、売上や原価率などの経営数字よりも、現場の困りごとを扱う方が巻き込みやすくなります。提供遅れ、清潔感、声出し、ピーク時の詰まり、オーダーミスなど、アルバイト自身が日々ストレスを感じている課題の方が、当事者意識が出やすいからです。数字は店長が背負うものですが、現場の困りごとは全員が毎日体験している「自分ごと」です。
進め方はシンプルで良いです。良かった点の共有から始め、課題提示、原因の洗い出し、改善案、最後に一つ決定。この流れが最も効果的です。特に最初に良かった点を共有するのは重要で、いきなり課題から入ると会議が説教の空気になります。会議は叱る場ではなく、改善を積み上げる場です。
そして最も重要なのは、店長が答えを言わないことです。原因と改善案をスタッフの口から出させることで、「自分たちで決めた」という感覚が生まれます。人は、上から言われたことよりも、自分で決めたことの方が守ります。店長が答えを出してしまうと、会議はただの指示になり、当事者化は起きません。
質問の質も大切です。「どう思う?」のような抽象的な質問は、発言が止まります。代わりに「どの時間帯で困る?」「一番ムダな動きは?」「提供が遅れる原因は何が多い?」など、具体的に聞くことで発言が増えます。アルバイトは意見がないのではなく、言語化のきっかけがないだけです。
最後に必ず入れてほしいのが、「決めたことは次回振り返る」です。これがない会議は、言いっぱなしで終わります。行動が変わらず、改善が積み上がらず、スタッフは「どうせ言っても変わらない」と学習します。逆に、次回の振り返りがあるだけで、会議は実行の場になり、店舗は自走し始めます。
議事録は、きれいに作る必要はありません。決めたことだけをグループLINEなどで共有すれば十分です。共有されることで、欠席者にも伝わり、次の会議での検証もやりやすくなります。
店舗ミーティングは、戦力分析表との組み合わせでさらに効果を発揮します。業務が言語化され、成長の階段が見える状態で会議を行うと、改善は「気合」ではなく「仕組み」として進みます。アルバイトを戦力化したいなら、毎月の店舗ミーティングを、当事者化の場として設計してみてください。
