「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
飲食店のマネジメントは、PL順に強化すべきだと私はよく話します。順番はシンプルです。売上 → 原価 → 人件費。難易度が高く、学びも深い順番です。逆に言えば、この順番を無視した瞬間、現場は必ず混乱します。
まず売上。集客施策、販促企画、広告運用、メニュー設計。ここに時間も労力も人もお金も集中します。売上がなければ、原価も人件費も議論できません。月商500万円が安定するまでは、基本的に売上を作る行動が最優先です。これは間違いありません。まずは来店数を作り、商品を売り、店を知ってもらう。ここを突破しないと、次のステージに進めません。
しかし、売上がある程度見えてきた段階で、次に本気で向き合うべきが原価管理です。にもかかわらず、多くの店舗ではここが弱い。原材料分析、定数管理、棚卸し、ABC分析。どれも地味で、即効性が見えづらく、手間がかかります。結果として、忙しさを理由に後回しにされやすい領域です。
ですが、数字はとても正直です。利益率10%の店で、1万円のコスト改善は、10万円の売上を作るのと同じ効果を持ちます。新規客を何人集め、どれだけ広告を打ち、どれだけ現場を動かして、ようやく作れる10万円の売上。そのインパクトを、原価管理は「守りの改善」で生み出します。ここに気づけるかどうかで、経営者の景色は一段変わります。
原価管理とは、節約でも、ケチることでもありません。日々の発注、仕込み、提供、棚卸しまでを正しく設計し、正しく回す経営の技術です。安く仕入れることだけが原価管理ではなく、使い切ること、ロスを出さないこと、ポーションを守ること、歩留まりを守ること、検収を徹底すること。その積み重ねで、利益は静かに守られていきます。
そして原価が整って初めて、人件費の議論が成立します。人件費は「削れば良い」ものではなく、売上と原価が安定しているからこそ、適正配置と生産性で改善できます。売上が不安定で原価が乱れている状態で、人件費だけをいじると、現場は壊れます。QSCが崩れ、クレームが増え、さらに売上が落ち、悪循環に入ります。
売上に次いで、原価にどれだけ本気で向き合えるか。ここに、利益が出続ける店と、忙しいだけで終わる店の分かれ道があります。マネジメントは感覚ではなく、順番。PLの流れに沿って強化していく。それが、飲食店経営を成長させる最短ルートです。
