「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

多くの飲食店では、アルバイトや新人社員に店を任せることへの不安から、社長がいつまでも現場の直接マネジメントから抜け出せない状態が続きます。人が育たないから任せられないのではなく、任せないから人が育たない。この構造に気づけるかどうかが、成長の分かれ目です。

一方で、あえて実績のない新人社員やアルバイトをリーダーに抜擢し、責任あるポジションを与え、修羅場の中で成長させてきた会社も確かに存在します。シフト作成や発注をアルバイトリーダー中心に任せ、シフトマネージャーやストックマネージャーと役割を分担する。すべてを会社が定めた基準とルールの枠組みの中で運営することで、現場には「任されている」という緊張感と当事者意識が生まれます。

ここで重要なのは、夢や理想を語って鼓舞することではありません。失敗すれば仲間に迷惑がかかる、責任を果たせなければポジションを失う、恥をかく。こうした現実を、正しく背負わせることです。守られすぎた環境では、人は本気になりません。責任と裁量がセットで渡されたとき、人は初めて考え、判断し、成長します。

人材獲得が難しいと言われる時代ですが、飲食業界は昔から常に人手不足と向き合ってきました。だからこそ問われるのは、外から人を連れてくる力ではなく、目の前にいるアルバイトをどう育て、どう任せ、どう戦力化するかという設計力です。

社長が現場を離れられない原因は、人材の質ではありません。任せる基準と仕組みがないことです。任せる覚悟を持ち、基準を整え、責任を渡す。その一歩が、会社を次のステージへ進める本当のスタートになります。