「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

ホスピタリティという概念は、トーマスアンドチカライシカンパニーの50年にも及ぶ取り組みによって、日本のホテル・レストラン業界へ浸透していきました。サービスを技術としてではなく、人と人との関係性として捉え直し、体系的に伝え続けてきた歴史があります。さらに飲食業界においては、1992年にロイヤルホストが日経新聞一面広告でロイヤル・ホスピタリティ企業宣言を発表したことで、この考え方は一気に社会的認知を獲得しました。

ロイヤルホストが定義したホスピタリティは、相手の立場に立った心からのおもてなし、親切に真心を込めて接する姿勢、そして歓待・厚遇という考え方です。ここで重要なのは、ホスピタリティを単なる接客スキルとして扱わなかった点にあります。企業としての姿勢、経営の軸として明確に言語化し、社内外に向けて公表し続けたことが、業界全体に与えた影響は計り知れません。

ホスピタリティ導入の初期段階で、正しく学び、現場で実践できた経験は、今もなお色褪せない財産となっています。なぜならホスピタリティは流行や手法ではなく、人が人に向き合う姿勢そのものだからです。一度身についた価値観は、業態や時代が変わっても揺らぎません。

DXによる省人化や、SNSを通じた視覚的な魅力発信が主流となった現代においても、サービスの原点は人にあります。便利さや効率が進化するほど、人の振る舞いや心配りの価値は相対的に高まっていきます。ホスピタリティを愚直に追求し続ける企業の姿勢に触れるたび、飲食業が本来持つ力と誇りを改めて感じさせられます。ホスピタリティは過去の遺産ではなく、これからの飲食業を支え続ける普遍的な経営思想なのです。