「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
飲食店経営において、新規集客に力を入れ、来店したお客様に最大限のQSCを提供し、リピートにつなげる。この考え方自体は正解です。しかし、これだけでは売上は安定しません。決定的に足りないのが、顧客をリスト化し、囲い込むという視点です。一度来店したお客様は、すでに自店に興味を示し、体験を終えた見込み客です。にもかかわらず、その情報を残さず放置してしまえば、次の来店先は簡単に競合店へと流れていきます。
顧客リストとは、名刺、芳名簿、予約台帳、LINE公式アカウント、会員情報など、再接点を持てる情報の集合体です。これらは単なるデータではなく、将来の売上を生み出す資産そのものです。広告費を抑えながら売上を伸ばしたいのであれば、新規を追い続けるよりも、既に持っている資産にレバレッジをかける方が、はるかに効率的です。
よく言われる1対5の法則では、新規顧客を1人獲得するコストは、既存顧客から再来店を生むコストの約5倍かかるとされています。つまり、顧客リストを活用できていない店舗は、常に高コストな経営を選び続けている状態です。新規集客を止める必要はありませんが、新規だけに依存する構造は非常に脆く、広告を止めた瞬間に売上が落ちる体質になります。
重要なのは、QSCの大原則を徹底したうえで、顧客をリスト化し、計画的に接点を持ち続けることです。リストがない店舗は、まず作ることから始める。すでにリストがある店舗は、情報発信や再来導線を設計し、レバレッジをかける段階に進む。売上を安定させる飲食店は、集客を点ではなく線で捉え、顧客資産を積み上げています。顧客リストを制する店が、長く生き残る店です。
