「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
アルバイトを戦力化できない店舗に共通する最大の問題は、何ができれば一人前なのかが曖昧なことです。忙しさの中で営業は回っていても、業務は属人化し、成長は偶然に任されています。その結果、教育は場当たり的になり、戦力化のスピードには大きな個人差が生まれます。教える人によって内容が違い、評価基準も不明確なままでは、成長するかどうかは本人のセンス次第になってしまいます。
実際、飲食店の現場で発生している業務をすべて洗い出すと、アルバイトが習得すべきオペレーションは約300項目前後に及びます。仕込み、営業中のオペレーション、接客、清掃、発注、在庫管理、ピーク対応、イレギュラー対応。これらは特別な仕事ではなく、日々の営業で必ず発生している業務です。それにもかかわらず、多くの店舗ではこの300項目が言語化されず、覚える順番も基準もないまま現場に丸投げされています。
その結果、何をどこまでできれば評価されるのかが分からず、頑張っても報われない感覚が生まれます。やがて成長意欲は薄れ、指示待ちになり、辞めていく。この悪循環が、慢性的な人手不足をつくっています。
この構造を変えるのが、戦力分析表をベースにしたスキルラダー設計です。店舗で発生するすべての業務を300項目レベルまで分解し、それぞれをできる・できないで判断できる状態まで言語化します。これを段階化することで、今の自分の立ち位置と、次に身につけるべきスキルが誰でも分かるようになります。成長が感覚ではなく、見える形になることが重要です。
さらに重要なのは、スキルラダーを評価と報酬に連動させることです。項目をクリアするごとに任される役割が増え、役職が変わり、時給が上がる。成長がそのまま待遇に反映されることで、仕事はやらされるものから、自分で攻略していくものへと変わります。項目が埋まる、責任が増える、評価される。この流れがゲーム性となり、主体性を生み出します。
アルバイト運営は根性論ではありません。約300項目の業務を言語化し、階段にし、評価と報酬に結びつける。このスキルラダー設計こそが、再現性のある戦力化を実現し、現場を安定させ、店長の負担を減らし、人が育つ店舗をつくるための本質的な経営施策です。
