「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
飲食店コンサルの仕事は、資料を整え、言葉巧みに語ることではありません。向き合うべきは、数字と現場、そして経営者の覚悟です。現場から離れた机上の空論や、聞こえのいい理論だけでは、店舗も組織も一歩も前に進みません。経営は現実であり、毎日の積み重ねです。その現実から目を背けた支援は、結果として経営者を迷わせてしまいます。
まず知るべきなのは、経営者がどんな山に登ろうとしているのかという目標です。売上を伸ばしたいのか、店舗数を増やしたいのか、強い組織をつくりたいのか。安定を求めているのか、挑戦を続けたいのか。その頂を理解しなければ、正しいルートは示せません。目標が違えば、進む道も、選ぶ判断もすべて変わります。
コンサルは、後ろから眺めて指示を出す存在ではありません。同じ山に一緒に登り、時に隣で息を整え、時に背中を押す存在であるべきです。ただし、その山は自分が一度は登ったことのある山でなければならない。登ったことのない山で、崖の位置や天候の変化、足を滑らせやすい場所を語ることはできません。
私は30年の飲食店人生の中で、現場、売上、原価、人件費、物件開発、購買物流、採用、教育、組織づくりという山を、自分の足で登ってきました。順調な時だけでなく、判断を誤り、足を滑らせ、引き返した経験もあります。売上が伸びている時ほど潜む慢心、物件や物流の選択ミスが経営全体を縛る瞬間、組織が崩れる前兆。これらは数字や理論だけでは見えない、実体験の中でしか掴めなかった景色です。
だからこそ、飲食店コンサルには経験と再現性が必要です。一度登った山だからこそ、危険を事前に伝え、無理な登り方を止め、確実に一歩ずつ前へ進ませることができます。経営者の人生と、そこで働く人たちの生活を背負う仕事。虚業であっていいはずがありません。同じ景色を見てきた者として、同じ頂を目指す。その覚悟こそが、飲食店コンサルに求められる本質だと考えています。
