「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

原価管理とは、理論原価と実際原価の差異であるロスを、限りなくゼロに近づけていくための継続的な活動です。一度数字を合わせて終わりではなく、毎日の積み重ねによって精度を高めていく管理行為そのものが原価管理だといえます。その前提として欠かせないのが、正しい理論原価の算出と、日々の実績集計です。ここが曖昧なままでは、原価は管理されているようで、実際には放置されている状態になります。

理論原価とは、レシピに基づき、正しい食材単価と歩留まり、規定ポーションで算出されたあるべき原価です。つまり、理論原価は店舗が守るべき基準であり、ゴール地点です。この基準がなければ、原価が高いのか低いのか、改善が必要なのかどうかさえ判断できません。原価管理は感覚ではなく、基準との比較によって初めて成立します。

仕入れ率は、その理論原価にどれだけ近い発注ができているかを測るための重要な指標です。仕入れ率が安定している店舗は、発注量と使用量のバランスが取れており、ロスが抑えられている可能性が高いと判断できます。逆に、仕入れ率が日々大きくブレる店舗では、過剰発注や使い過ぎ、廃棄、もしくは不正など、何らかの問題が起きているサインだと捉えるべきです。

原価管理を難しくしている原因の多くは、仕組みがないことではなく、理論原価という基準を持たずに管理しようとしている点にあります。まずはレシピを分解し、正しい理論原価を算出すること。そして、日々の仕入れと使用実績を集計し、差異を確認する。このシンプルな繰り返しこそが、原価管理の出発点です。

理論原価管理を導入することで、原価は偶然の結果ではなく、再現性のある管理対象になります。ロスを見つけ、原因を特定し、改善する。そのサイクルを回し続けることが、利益を守り、強い店舗経営を支える原価管理の本質です。